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【脳外科医が解説】頭を良くする食事とは?

皆さんは食事に気をつけていますか?

身体にとって健康な食生活が大切ですが、実は脳にとっても食生活は非常に重要です。

今日は食事と脳の健康について調べた研究を紹介します。


2019年のコロンビア大学の研究で、「若者時代の食事パターンが、50代の脳の健康に影響を与えるか?」ということを調べました。

この研究で注目された食事パターンは3つ。地中海式ダイエット(MedDiet)、高血圧予防ダイエット(DASH)、そしてA Priori Diet Quality Score(APDQS)です。

それぞれどういった食事法なんでしょうか。

まずは地中海式ダイエット(MedDiet)についてですが、これは地中海の伝統的な食事スタイルを基にした食事法です。オリーブオイルやナッツ、魚などのモノ不飽和脂肪酸を多く摂ること、フルーツや野菜、全粒穀物を豊富に摂ることを推奨します。

次に高血圧予防ダイエット(DASH)は、元々高血圧を予防するために考えられた食事法で、ナトリウムの制限を主としています。フルーツ、野菜、低脂肪乳製品の摂取を強調し、ナトリウム、飽和脂肪、コレステロール、など制限することを目指します。

最後にA Priori Diet Quality Score(APDQS)ですが、これは食品の選択と摂取量を評価する一般的なスコアで、野菜、フルーツ、全粒穀物、豆類、魚、肉などの食品の摂取バランスを評価します。

これらの食事パターンがどのように認知機能に影響を与えるか、研究開始時の年齢が25〜45歳の2,621人の男女を対象に調査されました。そしてそれぞれの参加者が、50歳と55歳の時点での認知機能を評価しました。

結果はどうだったのでしょうか?

この研究の結果、MedDietかAPDQSの食事法を行っているを参加者は認知機能が高い傾向を認めました。DASHの認知機能に対する有効性は認められませんでした。

この研究から若い時期の食事パターンが、50代以降の認知機能に影響を及ぼす可能性があるといえます。

長期間の追跡は行っておらず、具体的に何を食べると認知機能が保たれやすいのかはまだわかりませんが、少なくとも魚や野菜を中心とした食生活は脳の健康にとって良い、と言えます。

毎日忙しくて、暴飲暴食をしたくなることもあるかと思います。しかし、やはり日々健康的な食事をすることが、将来の脳の健康を守る重要な一歩となるので、ストレスのない範囲で食事を見直していきましょう。

次回も健康と生活をより良くするための情報をお伝えする予定です。これからも健康的な食生活を心がけていきましょう。


○参考論文:



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記事を読んでくださってありがとうございます。

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脳外科医あみと が
皆さんが健康な生活を送っていけるように
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