ぜんぜん面白いと思わない

ぜんぜん面白いと思わないけど始めたから、続ける(厭厭)


しかるべきとき

「さあ立っちして、立っちよー」
なんて、まみいはぼくをあおりたてるけど、そんなことぜんぜん必要ないんだ。
くるべきとき、しかるべきところ、ときとところが定まれば、ぼくはひとりでそれをする。
たとえばいま、いつものように、つかまり立ちしたその態勢から、軸足を決め、片手をずらし、軸足でないほうの足を一歩・・・
背後でまみいが息をのんだのがわかる。
そして、次の瞬間に
彼女は奥へ駆け込んでゆくのだ。
「お義母様!お義母様お義母様お義母様お義母様!!」
まみいがばばを呼びに行ってる間に、ぼくはぐらりと大きくかしぎ、ズデンと激しく畳にキス。
火のついたみたく泣き出しながらも、ぼくの中にはかなりな達成感があった。
けっこういいものだった。




#30年前の四百字小説
#テーマは・歩む・でした



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