ゴン。カーンだけ。特別。


私はサッカーは、あんまり好きになれません。
中継を見ていても、ボールに向かってわらわらと、敵も味方も群れ集うだけ。
一昨年ラグビーワールドカップを観て、正直サッカーより面白いと思いました。


それは何故か


試合が止まるからです。
スクラムか、キックか選んだり、モールからボールが出るタイミングを待ったり。
走り出すと早いのに、止まる、緩く進める、やり直す。
この緩急が面白い。
サッカーは、走るか蹴るかだけなので(ペナルティーさえ短い。休ませない笑)、私はあんまり興味が湧かないのです。


でも、好きな選手はいます


いました、かな?
当時ジュビロ磐田にいた、日本代表にも選ばれた選手、ゴンこと中山雅史さんです。

中山さんはあの年、負ける前の試合で、カズのユニフォームを重ね着していました。
そのときjokeで、

この下には嫁のブラジャーをつけてます。

って言って、記者たちの笑いを取っていましたが、その後本気の真顔で言ったのです。

次の試合は笑い抜きです。
祈ってください。

このときから、私はずっと中山さんのファンです。


note内でサッカーの話でちょっと湧いたとき、話し相手に言われた


「代表で活躍していた頃の中山選手は、期待に応えてくれる感が半端なかったですもんね!」

「そしてあの頃のジュビロ磐田のサッカーも、とても面白かった!」

そうだったんですね。
素人ながら、私が中山さんに感じていたものは、決して間違っていなかったんだな。
(いやいやいやいやいやいや笑)


2002年の決勝


縁あって、私は2002年の、日韓で挙行したサッカーワールドカップの決勝も、現地で観ていました。
たまたま連れ合いが、決勝チケットを当ててくれたからにすぎないんですけど。
でもそこで目にした戦いは、本当に圧巻でした。

個人技のブラジルと団体技のドイツの戦い。
それはまるで、全ブラジルチーム対ドイツゴールキーパー・カーン一人という、二国の変則一騎打ちでした。
苦しいとき、つらいとき、ドイツチームメンバーは、祈るようにカーンを見、カーンはカーンで父のように、全チームメンバーを支えていました。
実際カーンはスーパーセーブを繰り返し、鬼神のようにブラジルチームを抑えていました。
けれどサッカーは、十一人どうしでするものです。
いかに鬼神とはいっても、華麗なる個人技持つカナリア十一羽には対抗しきれなかった。
ロナウドだかロナウジーニョだかが舞い、蹴込み、カーンは撃破されました。
これがサッカーなのだと、私は思い知ったのです。


十一人で舞い合う個人技の極。
全員で守り合う集団意識の極。
日本はどちらのチームに成熟していくのでしょう。
どちらに向かって行くにしても、私はやっぱりサッカーは、そんなに好きでもないのです。


#サッカーの忘れられないシーン

それでも地球は回っている