魂の形

  ※ 不愉快なものの考え方、出てきます


そのメンター(導師)は、ものすごく確信ありげに言った。

肉体は魂の入れ物です。
その美醜もまた、魂の形とつながっています。

そこでメンターは、窓の外、はるか下の地上をゆく障がい者さんの一団~何人かのサポート者が付き添っている~をちら見した。
そして続けた。

ごらんなさい。
入れ物の歪んだ方々と、それをサポートしてる美しい方々を。
私たちは決してあのように、魂の入れ物を損なってはならないのです。



この人物には後日談がある。
このご指導の数日後、この方は脳内出血を起こし、危ういところで命をとりとめた。
命はとりとめたものの、半身に麻痺が残った。
介護士が、狙いすましたように底意地が悪い人物ばかりなのだという。

ああ、きっと容姿で選んでるに違いないよね。

でもって最近やっと気の合う介護士さんに当たったんだって。
いい人だいい人だ言うけど、容姿のことは言わないの。

そこー?
あの方まだそこ、こだわってるの??


ころころと笑い交わすもと受講者の私たち。
あの頃から、私たち、誰も同意はしていなかった。
私たちはあのお教室をあの方に続けさせるために、あの方の親が雇ったバイトに過ぎなかったのだ。
背に腹は代えられなかったから、私たち、やったけど、あまりに醜悪な考え方に、うなされたこともあったのだ。
メンターは長い引きこもりの後の悟り(?)だったから、親はお教室が失敗して、あの方が再びひきこもってしまうことを恐れたのだった。
人の心。
せいいっぱいの勇気づけ。
間違ったことさえも時に人を勇気づけるのだと、私たちは知っている。
それでも。

それでもあの考え方には、一瞬も与(くみ)できなかったねー。

と笑いあえる、このメンバーが同僚で、私はほんとによかったと思っているのだった。


それでも地球は回っている