編みもの文筆家taco

編みものしながら物思いにふける毎日。編みながらとめどなく巡る思考を、編みものエッセイと…

編みもの文筆家taco

編みものしながら物思いにふける毎日。編みながらとめどなく巡る思考を、編みものエッセイとして書き綴ります。

最近の記事

祖母から母、そして私へと受け継がれなかった編み物の話

私の母方の祖母は、昔、編み物の先生だったらしい。 家で、機械編みを教えていたのだとか。 しかしながら、私は祖母の編み物姿どころか、編んだ作品すら見たことはない。 私が物心ついた頃には祖母は高齢で、目も悪かったので、編み物はずっとしていなかったようだ。 私が編み物に出会ったのは小学生の頃、母が私と妹に、手編みの帽子やセーターを作ってくれたときだった。 ものすごく嬉しくて、今でもその模様や色をハッキリと覚えているほどだ。 だからと言って母が私の編み物の師匠であるか

    • 編み物のコストパフォーマンスを考える

      手編みニットを身につけていて、 「それ、可愛いね!」と言われたら 「実は手編みなんですぅ〜♡」なんてニヤニヤ答えてしまうのが人の性。 (え?私だけ?!) しかしその後返ってくるのは 「編むのにどれだけ時間かかった?」 「どれくらい毛糸使うの?」 「え!!そんなに?!…(買った方が早くない?)」 というリアクション。 違う。そうじゃないの。 そこで今回は、編み物とコストパフォーマンスについて考えてみたい。 衣類を得る手段としての編み物のコスパまずは、編み物を『

      • 編み物という趣味の与えるイメージと実際

        「趣味は編み物です。」と言うと、大抵の(編み物をしない)人は 「すごいですね。」「家庭的ですね。」などといった反応をする。 こういうやりとりをするたび、編み物の与える印象と自分自身の実際とのギャップに恐縮して しまう。 編み物はすごい=難しい?まず、編み物は別にすごくない。 そりゃ、編み物で素晴らしい作品を生み出す作家さんやデザイナーさんは多くいるけれど、そんなことは絵や写真や他のさまざまな分野の物事においても言えることで。 私のようにただただ趣味として編み物をし

      祖母から母、そして私へと受け継がれなかった編み物の話