結果的に助かった

やべっ。来た。逃げろ。
あっ、足が引っかかった。動けない。
大丈夫。俺はしまうまって唱えてみ。
思わず目を閉じて、俺はしまうま、俺はしまうま（100回繰り返し）
俺はしまうま、俺はしまたにひとみ、はっ！！間違えた。俺はしま・・

はい、そこまでー。1分たったよー。

えっ！？と思い目を開けたら、誰もいなかった。
あれっ！？と思った瞬間、またヤツがこっちにやって来た。
ヤバい。今度こそ死ぬ。絶対死ぬ。
あとちょっとで食べられそうなところでいきなり止まる。
こっちをじーっと見ている。
ヤバいヤバいヤバいヤバイ・・・。絶体絶命。
ヤツが吠えた。
目をギュッとつぶる。その瞬間、何かが触れた。

倒れていた。目をグルグル回しながら。

えっ、て思った。その辺の水たまりに自分を映してみた。

体がしまうま模様みたいになってる。
ただなんか変だ・・・。

渦巻きになってた。まるで魔界への入り口のような。

・・・・・・。

仲間になんて言おう。ていうか元に戻るのか。
そもそも一緒にいたヤツ誰なん？

お題：「1分しまうま」
#毎週ショートショートnote