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インド映画『RRR』のすすめ!!!

おすすめというか感想。とっっっても良かったので!!!良すぎていつもの映画感想まとめnoteでは間に合わないくらいの分量になってしまったので、これだけ独立させました。

インドの神々やら英雄やらを人に憑依させた現代版破壊神話(現代って言っても1920年代のインド独立運動期なので少し昔)。抑圧する大英帝国をぶち壊せ!という勢いがすごい。

登場人物3人の名前からしてもう神話。マハーバーラタの英雄パーンダヴァ5兄弟の2番目ビーマ(役の名前はビーム)に、ラーマーヤナの英雄ヴィシュヌ神の化身ラーマ王子にその妃シータ
ビームの強さを体現するためのシーンで狼を仕留めるはずが、虎をおびき寄せちゃったのはご愛嬌なのか?とにもかくも主人公二人が強すぎる映画だけど神話なのでしょうがない。

某ゲームでラーマのクラスに剣士を当ててるけど、いやばりばりの弓兵じゃん!!ってなる映画。放つ弓は必ず当たるし。

主人公二人の強さは異常だけども、インドの神様、英雄を降ろしちゃってるので仕方がない(2度目)。むしろあれでも加減しているのでは?でも見ていて痛ましいシーンはてんこ盛り。いや絶対それ死んでるだろっていう。

インド映画をあまり見ないのでとても偏見だけど、とにかく「正義」が突出して強くて、仕方なく発生してしまった「悪」の存在を許さないほど明瞭な勧善懲悪もの。ま、この映画での悪は素晴らしいくらいに純度の高い悪に仕上げられているんですけど。
革命のために同胞を裏切り敵国内部に潜り込むラーマの葛藤もなんのその、(部族や宗教の違いもなんのその)すべては母なるインドのため今こそ結集するのだ!!って書きながら自分も盛り上がってきた。ほんとすべては母なるインドの大地のため。大地の女神パワーがすごすぎる。

ラーマが、武器(銃)がなくとも人々(の感情)が武器になると確信したように、映画で物語を語るのに台詞なんていらない!!見せるんだ!!という気概を感じます、インド映画。いやもちろん台詞もいるんだけどさ。

ハリウッドの破壊王エメリッヒも驚くほどの破壊尽くし×2(破壊されてるのはどちらも総督邸なのか?)

「Load(装填), Aim(狙え), Shoot(撃て)」というラーマの父親から受け継がれた台詞がとても印象に残った。あと銃弾の価値のくだりも。帝国主義はほんとくそ。

そしてエンドロールが一番お金かかってるんじゃないかってくらいたくさんの人が踊っている。
でもここでの俳優二人の笑顔が最高によい。劇中で笑顔になることそんなにないからな。余談だけど顔のどアップが多すぎて字幕が逃げまくってるのおもしろすぎる。

総督夫人の趣味が総督よりも悪逆非道で、キャラが立ちすぎ笑 総督よりも悪役感強いのなんで笑

ジェニーの名前のくだりもおもしろかった。「マダムじゃなくて単にジェニーと呼んで」。そのジェニーはちゃっかりビームの側に付いてるし。全然関係ないけど、インド人のジェスチャーの勉強にもなった気がする。首を振るだとか頷くだとか。

こういうアクション!ダンス!VFX!という観客を楽しませにきている映画をみると、やっぱり映画はエンタメだよなぁと思う。見ていてめちゃくちゃ気持ちがいい。いや人は死ぬんだけど。

さすがに3時間は尺が長かった。エグゼクティブシーートでもお尻が痛いっす。ただこうして映画を振り返るとよりいっそう作品が好きになってしまうから困った〜!使われていた楽曲聴くためにyoutubeプレミアム加入する選択肢まで出てきちゃうじゃないか!

楽曲も歌というよりも「詩」という側面が強かった。「1920年代のインド独立運動の英雄が、神話の時代風にアクション・ダンス・VFXてんこ盛りの叙事詩(意味不明)に仕上げられているの、監督が天才すぎた!」って呟いたけど、ほんと新たなる時代の叙事詩。監督の異名創造神は伊達じゃない。

あ、『RRR』というのはRise, Roar, Revolt(蜂起、咆哮、反乱)ということになっているらしい。テルグ語タイトルではそれぞれなんだったっけな〜。(追記 :「血」「戦争」「怒り」という意味の言葉をつけているみたいです〜)

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