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はじまりはいつも雨-諫早勾留記1-

ひどいタイトルになった。
別にこの街を、地元民をどうこう言いたいわけではない。

ただただそれだけ荒んでいる。
ホームシック的なやつだろうか。

朝、博多を出発しよくわからないままに諫早まで来た。
必要になりそうなものを購入し、入居。

引っ越し業者が来てあれよあれよという間に新生活が始まる。

雨だ。

何もない部屋に色々と置いた。
これまで狭い部屋で生きてきた私には広すぎる部屋。
それも相まってであろう、とにかく寂しい。

7年前、初めての引っ越しを終え自分の部屋に1人取り残された時を思い出す。

とにかく生活環境が整わず何をすればいいかもわからない。
意外と1人で生きていけないものなのだ。

外は雨だ。

外を歩きすぎて靴はビショビショ。
なんか気分が乗らない。

積み上げられたダンボール。
丈の合わないカーテン。
置き場所が見つからない荷物たち。
気休めに買った好物の南国製菓の芋けんぴはすぐになくなった。

電気屋で買った照明器具を雨の中歩いて持って帰る姿はひどく滑稽だったのだろう。
おっさんがタバコを吹かしながら憐れみの目を向ける。

そしてどうしようもなくちゃんぽんを食べた。カップ麺の。

1年後、この部屋にまだいるかどうかは分からない。

強い決意を持って臨む、1年間。
長崎は今日も明日も雨である。

そういえば7年前の京都もずっと雨だった。
また明日。

にゃーん。