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大切なこと

先月愛犬を亡くした
16歳と大往生だったけど、それでもまだ生きてほしかった

10年間動かない後ろ足のせいで散歩はいつも車椅子
家の中ではいくら体に優しいマットを敷いても擦れてすりむける

何度も病院に通い
大嫌いな薬も飲み続けて
最後は老衰で心臓や肺が弱り苦しそうだった

それでも一秒でも一日でも生きてほしくて
それが人間のエゴであっても

居なくなって一ヶ月
今思い出すのは冷たくなった動かなくなった花に囲まれた体

もっともっとたくさん思い出があるのに
最後の場面しか浮かばない

でも私は彼のおかげで生きられた

最後の方は大好きな散歩もご飯もろくにできなかったけど
名前を呼ぶと笑ったような顔でこっちをみて
撫でると頭を擦りつけてくるようにしてきて
大好きと伝えると真っ直ぐ目を見つめてくる

幸せだったのか、なにか足りないことは無かったか
知ることはできないけど

こんな言い方は好きではないけど
ペットを飼うということは人間に教えてくれる
生と死を

生きる苦しさも、生きてるだけで頑張ってるんだってことも
それでいいんだってことも

ここ数年こんな話を何かで聞いた

コロナで在宅が増えたからペットを迎え入れた
外に出るようになったから飼えなくなった
飼育がこんなに大変だなんて思わなかった

人間であろうが犬だろうが猫だろうが他の種類であろうが
そんな簡単に考えて家族になるのだろうか

同じ命あるもの、感情を持つもの
よく考えてほしい

そして人間より早く寿命を迎える命を看取ってほしい
冷たくなった体を抱きしめて感じてほしい
生きてることがどれだけ尊いことか

彼が生きてた16年
わたし自身何度も自分の命を軽くどうでもいいように感じ、扱った

でもその度彼をみてまだ死ねない
真っ直ぐこっちを見る目をみて癒やされる自分に気がついた

そして彼の最期を看取ったとき
生かしてくれた彼に感謝と申し訳なさを感じた

私だけ生きてごめん
でもこんな私でも生きていていいんだと思わせてくれてありがとう

まだ自分が生きる意味も目的もわからないけど

それでも生きようと思う



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