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思春期の娘

私の定位置は、” 陽 ” だ。
でも、たまに ” 陰 ” になる。

陰陽五行だとどちらか一方だけに振れるということはほぼ無いので、陽よりなのだと思う。

ただ、たまに陰よりに振れると、とても居心地が悪い。
それは、陰の締め付けられる感覚に慣れていないから。

きっかけは大したことのない些細なことだけれど、そこから反対にひっくり返る。

私の娘はけっこう ” 陰 ” よりで、好きなアニメやテレビを見ているとき以外は、大抵周りの人たちの愚痴を言っている。

思春期特有のものなのか、元々の性格的なものなのか分からない。

私からみた娘は ” 陰 ” だけれど、他の人からみたら違うのかもしれない。
主観とは相対的なものだから、視点が変われば結果も変わる。

親子といえども違う人間だから、感覚も価値観も違う。
頭ではわかっているけれど、やっぱり自分の感覚からしか判断できない。

16歳なんてまだ半分子どもだ。
私も16の頃は、なにも考えていなかった。

ただあまりにも娘が学校生活の不満ばかりを口にし続けるので、1年近くそれに耐えていた私の忍耐力が限界をむかえた。

ちょうど私は些細なできごとに遭遇して陰に振れたときだったので、今までやんわり受け流していた娘の愚痴に対して感情が爆発した。

なかなか勉強に身が入らない娘を塾に通わせ、なんとか娘のやりたいことができそうな学校を探し、授業料が高いけど払い続けているのに、毎日浮かない顔をして学校に通う娘。

娘の気持ちに寄り添い続けるために、自分の気持ちを感じないようにしていた。

もっと学校に楽しんで通って欲しい、親とおしゃべりしようとしないで学校の友達とおしゃべりしてきて欲しい。

イジメにあっているわけでもないのに、小学校の頃からあまり友達付き合いをしない子で、私はそんな娘を学校で見るのが哀しかった。

親の希望を押し付けるのはよくないと思いつつ、一般的な子どもの付き合いをして欲しいと思ってしまう。

最近は、卒業した中学校のときの友達と出かけることがあるけれど、高校の友達とは学校で話しをするだけ。

人にはそれぞれペースがあるし、友達付き合いがすべてではない。
それでも子どもには友達と楽しそうにしていて欲しいと願ってしまう親心。

子どもは自分ではない存在なのに、自分ごとと同じように扱ってしまう。
やっかいだけど愛おしい存在。

まったく異なる価値観を目の前で知らしめてくれる宇宙人みたいな人、それがウチの娘だ。



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