強者を発見。
あれは、いつの頃だったろうか。
とあるギョウザの王将で夕餉に舌鼓を打っていた時の事である。
その男性は、入店一歩目で立ち止まり、おもむろに私の左隣りに陣取った。
水が出た。
お馴染みの注文票に、耳から外したえんぴつを、下ろす暇なく、男性の一言。
ギョウザ、一人前ッ。
間髪入れず、えんぴつを耳へ戻したお姉さんが、
コーテル、イーッ。
うつむきながら、しょう油ヤキソバをほうばった私の口元から箸が動かない。
コーテル、イーッ、 続きは?
なぜ、止める、兄ーちゃん。
店員さんも、奥へ進むんじゃない。
それと、他には?とか、聞かないの? 終わりなのか注文。
驚いた!
長い間、王将さんとは付き合ってきたけど、ギョウザ一枚、六口で食べ干して、秒殺で、お勘定ー。
おぉーッ、男前や。
負けた。
当時、一人前160円ほどだった。
しかし先日、その出来事を思い出させる御仁に出くわし、更に驚かされた。
年の頃、78歳ぐらいと見た。
n最近、行きつけにしている、デニーズでのことだ。
この御仁も、ただならぬ雰囲気の持ち主であった。
モーニングの時間帯。
この日は、私自身も早めの入りで、07:10頃に入店。
御仁の方は、07:15頃の入店だった。
この御仁、入店と同時に私の左隣にスーッと着座され、開口一番。
あー、ほれ、あれッ、
カップヨーグルト。
畏まりました。カップヨーグルトでございますね。少々お待ちください。
んー、店員さんの方も、いつもの如く澱みのない丁寧な切り返し。
御仁と言えば、ルーティーンの様に持参の朝刊をざわッと広げ、目は新聞に落としたまま、届いたヨーグルトの蓋を剥がして、三口か、4口。
あっという間に食べ干して、ページをめくっておられる。
うむーッ、強し。
まだまだ、私は修行ちゅうもんが足らんようや。
ちなみに、後で調べたら、カップヨーグルトは、106円であった。
よーし、次回は、私も、
”のり” って注文してみようかな。
ちなみに、のりは、52円です。
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