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猛毒を持つ植物イヌサフランとは?

イヌサフランとは?

ヨーロッパ・北アフリカが原産地で、イヌサフラン科イヌサフラン属の球根植物植物(コルチカムとも呼ばれる)。
日本には明治時代に渡来し、園芸品種として広く植えられ、花期は9月中旬~10月でピンク色のアヤメ科のサフランに似た花をつける。花が咲くときには葉はない。春に20~30cmほどの葉を伸ばすが、夏になると葉は枯れる。

イヌサフランの毒

イヌサフランには有毒アルカロイドであるコルヒチンが含まれる。イヌサフランを食べると嘔吐、下痢、皮膚の知覚減退、呼吸困難を引き起こす。
重症の場合は死亡することもある。最小の致死量は体重50 kgで、コルヒチン4.3 mg程度。葉(1枚約2g)を4~5枚食べると致死量に近づくので注意。

コルヒチンの利用

①痛風発作の症状抑制
痛風発作は、関節内に貯まった尿酸結晶を白血球が異物として認識し攻撃することで起きる炎症で激痛を伴う。コルヒチンは白血球を抑制する働きがあるため、炎症の原因となる白血球からの炎症物質を放出させないようにする。
②染色体倍化
コルヒチンは紡錘糸形成を阻害し細胞分裂抑制するため、複製されたDNAが残り、DNA量が2倍の細胞ができる。この細胞が増えることで倍数性の植物体になる。コルヒチンによる染色体倍化は様々な植物・研究で使われている。

イヌサフランの誤食

イヌサフランの葉は山菜のギョウジャニンニク、鱗茎はジャガイモやタマネギと間違え誤食することが多い。またコルヒチンは加熱調理しても分解されず、さらに炒めることによりコルヒチンが高濃度になる。2012〜2021年の10年間でイヌサフランの食中毒が16件起きている。

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