パニック障害 発症〜病名確定までの話

その時は突然やってきました。確か通勤の運転中、酷い目眩がしたのです。同時に吐き気もありました。しばらくしてもその症状は治まらず、これでは仕事にならないし、少し時間の調整もきくからと病院に車で行きました。めちゃくちゃクラクラしながらなんとか病院に辿り着きました。
そこはMRIがある病院で、神経内科のあるところでした。
一見ではMRIにもレントゲンにも異常ないようでしたが、脳を見られる先生がいなかったことで後日また通院しました。特に異常なく、目眩は耳鼻科の分野ということで、その病院の最寄りの耳鼻科を紹介されました。


長い旅の始まりです。

耳鼻科では眼振もなく、頭位性目眩と診断されました。処方された薬はアデホスコーワとメリスロン、目眩の代表的な薬です。飲んだところでなかなか改善しませんでした。
当初通院は自分で車を運転して行きました。すると、運転中に症状が酷くなるのです。目眩、吐き気、動悸。その状態で診察室で待っているのはかなりしんどかったです。もう、横になりたい、苦しい、呼吸も乱れていました。
ですが、処方される薬は変わらず様子見を続けます。動くたびに目眩がするのでだんだん動けなくなってきます。仕事にもなかなか行けなくなってきました。仕事が予約業だったので、「休めない、なんとか行かなきゃ」という思いがプレッシャーになり、余計に体調が悪化する、この繰り返しです。無理だと思い休んでも罪悪感しかなく、頭を抱えます。起きていられなくて寝ようとしても、体勢を変える度に目眩がするんです。どうやって寝よう……壁にもたれて睡魔がピークに達するまで耐えて、パタンと倒れて寝る。けど寝返りしてしまえばまた目眩と吐き気。どんどん眠れなくなります。いつぞやか睡眠導入薬マイスリーを処方されましたが、寝付いても中途覚醒するし実際に起きてみたらふわふわ感がずっと続くし、結局仕事にならないのでマイスリーはすぐにやめました。

この頃には職場の上司はもう内科的疾病ではなく、精神科領域の症状だと気付いていたようです。まともに働くどころか、家を出てコンビニに行くのも、風呂に入るのも怖いんです。その場で倒れたらどうしようという恐怖が常につきまといます。
通院や通勤もも自分では出来なくなり、父に送り迎えしてもらうほどになり、別の病院の受診を決意します。そこは脳の専門医がいるクリニックでした。目眩の検査してもやっぱり眼振もなく、とにかく眠れないのでは回復しないと今度はロゼレムを処方されました。お察しの通り、効果が出ません。ここで睡眠障害外来に行ってみては?と紹介されました。紹介状を書いてもらい予約を取ろうとしても、紹介先が国立病院だったので自分では取れず病院経由でなんとか予約を取りました。
やっと精神科領域に辿り着いたのです。


当日は父に付き添ってもらいました。しっかり説明出来るように症状が出てからの経緯をルーズリーフにまとめて持っていきました。
診察前に睡眠障害についての問診を書いて待ちます。もう病院だということと、ちゃんと症状を説明出来るかで緊張極まりなかったのを覚えています。

診察が始まり、ルーズリーフを見ながら症状の説明をすると、「よくまとまってますね」と褒められるという(笑) 「これはパニック障害という病気です。もちろんここでも治療できますが、家の近所で通院しやすい病院を探したほうがいいですね。どこかあるかな?」と探してくれたのです。ただ、私の家の近所では先生と繋がりがある院がなかったので、ピックアップだけしていただきその日の診療を終えました。
実は友人に心療内科に通院してる人がいて、その友人に相談して場所を教えてもらいました。そしてそのクリニックに電話して予約、たまたま近い日に空きがあったようで数日で予約が取れました。


「パニック障害」


病名がついたことで、1つの区切りがつきました。ここまで3ヶ月。長かった。やっとよくなる、このまま死ぬことがないという安心感。ここから治療が始まりました。


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