見出し画像

うちはラブシーンを見ちゃいけなかった

中学生の頃、ドラマで偶然ベッドシーンが映ったところをお父さんが見て怖い顔をしていたからチャンネルを変えた

好きだった松潤が出ていたドラマ「失恋ショコラティエ」は家族に隠れて、妹とこっそり見ていた

そんな私がストリップの映画を見るなんて思っていもいなかったし、ストリップ劇場に行く約束を先輩としてしまう未来なんて想像もしなかった

画像1


「彼女は夢で踊る」

この映画で思い出したことは、昔住んでいた福岡の小倉だった。小倉駅の近くにもストリップ劇場があって、私にとって、あの通りは通ってはいけない場所、見てはいけない場所だった。だって、人の裸は「見てはいけないタブー」だったから。

でも、映画を見たら違った。

画像2

きれいだった。しなやかで、艶やかで、ちょっと危うくて、でも無邪気さのような可愛さもほんの少しだけ見えて。目が離せなくなった。

いやらしさは全く感じなかった。それはきっと「魅せていたから」。

画像3

劇中に「劇場はたくさんの思いであふれてる」というセリフがあった。「ステージからは嬉しそうな人、悲しそうな人が見える」ともあった。あの小倉にある劇場にはどんな思いがあふれていたのか。

 私が住んでいる広島と、住んでいた福岡。それぞれの劇場にはどんな物語があって、ステージからはどんなものが見えていたのか。ステージを見ていた人は、何を見ていたのか。知りたいと思った。


同じなのに、違ったこと。

画像4

映画の中では、同い年くらいのストリッパーが誰かを好きになって、誰かから思いを寄せられていた。私と同じように恋愛をしていて、ご飯を食べたり、お酒を飲んでみんなで笑っていた。私と同じだった。

もしストリッパーだったら、って何度も考えた。でも、全く想像できなかった。同じはずなのに。

彼女たちが、ステージの上で別の彼女の人生を生きていたからなのか。日常とは違う華やかで、妖気でで、危うい夢で踊っていたからなのか。


もっと知りたい、この世界をちゃんと見てみたいと思った。

女の子にすごく見てほしい、男の子にも知ってほしい。「裸を見せているんじゃなくて、魅せているんだと。」



20歳がもう少しで終わる。でも、21歳の自分に新しい価値観や世界をプレゼントできたかなと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?