菌には足がないから

私は理学療法士。
医療従事者である。

患者さんは高齢者が多い。
今こそ禁止になっているが休日は面会者も多かった。
そして私の職場は看護師さんのように病棟の決められた範囲のみではなく、院内全体の患者さんのもとへお迎えに行き、時にはその場で、時には少し離れたリハビリ室に移動してリハビリを行う。

私がそうであるように、他のセラピストや患者さんも、院内を移動する。

今流行の例のアレが始まる前、インフルエンザやノロウイルスなどが流行るとリハビリテーション科は特にピリつく。

セラピストやリハビリ室の物品を介して患者さんが自分の病棟に菌を持って帰ってしまう可能性があり、アウトブレイク(院内感染)のリスクが跳ね上がるのだ。

菌は基本的に自分で移動できない。
人が菌を運ぶのだ。


だからうちでは1年中リハビリの開始や終わり、リハビリ室の出入りではアルコール消毒厳守(アルコールアレルギーの人は除く)、流行性の疾患がで始めるとうちでは基本的に出入りの制限や患者さんのマスクの徹底など、更に厳しくなる。


ここまでは前置きで。
昨今のあのニュースについて、今世間では医療従事者や感染者の家族への風当たりが厳しいという話をSNSやニュースなどで見かける。

(個人的は意見なのでこういうこと言うのはよくないんだろうなぁと思いつつも、日記みたいな感覚で個人の思いを書かせていただく)

もちろんいわれのない誹謗中傷をするのはもっての外だし、恥ずべきことだと思う。

でも、医療従事者である私から言わせてみたら、やっぱり同じく医療従事者(特に他の医療施設で働く人。そこの病院がどんな感染対策をしているのか知らないし)や感染者の家族は怖い。

更に言うとスーパーのレジ打ちや接客業の人たちはもっと怖い(医療従事者に比べて感染対策が不十分かもしれないし万全をきそうにもお客さんにそれを強要できない難しさもある)。

正直しばらく会いたくない。


COVID-19の恐ろしいところは、発症してなくても排菌し無自覚のうちに人を感染させるところ。

繰り返し言うが、だからと言って彼らを傷付けていい理由なんかないし、最前線で戦う医療従事者の方々やライフラインを支える店員さんたちは辛い中非常に大切な仕事をしていただいてると思うし頭が上がらない。(いつもありがとう!)
それに患者さんの家族の苦悩を思うと辛い。


そんな私自身も、今日も仕事ではたくさんの人と関わりにいく。
マスクは1日1枚と限定されている。
手洗いと消毒をこれでもかと言うばかりに念入りに行う。
不要不急の外出と人との接触を避け、ひっそりと耐え忍ぶ。

早く世界が元気になりますように!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?