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バカはチェンソーの夢を見る

 「チェンソーマン」を読んだ。
ずっと読もう読もうと思っていながら、デンジとポチタの関係に心臓持っていかれて、暫く本を閉じていた。

 今回、アニメ化をきっかけに再度読んでみた。11巻だったので1日で読み終える。Twitterにダラダラ感想書こうとしたが、何となくネタバレを皆さん回避しているような感じなので、こちらに書こうかと。そんな大した感想でもないんだけど。

 悪魔のデザイン、設定、秀逸!!えぐい!!えぐいよ!!展開!!と言いたいことは沢山あるけども、一番私が言いたいのは、やっぱ何でマキマが支配の悪魔だったのかってこと。

 他に怖い悪魔なんてもっと沢山居る筈なのに、何故、支配の悪魔なのか。それに関して、私なりの解釈をつらつらと書きたいと思う。以下、ネタバレしてるので、読む際はご注意。

 主人公であるデンジはちょうが付くバカで、あっさりとマキマ好きになり、支配される。そして、大切な人間を殺され、自分も殺され、ぐちゃぐちゃにされた後にやっと気づく。バカだと人生をコントロールされてしまうことに。デンジは、マキマを好きだと思い込まされているが、そんな中、アキとパワーに出会い、2人と家族のような関係を作っていく。2人はデンジにとってかけがえのない存在になった。2人を大切に思う心と、マキマへの感情の間で揺れるデンジ。自分の今の状態ではまずいんじゃないかと思い始めた頃にはもう手遅れで、アキを自分の手で殺し、パワーも目の前で殺された。その時に、初めて、自分の生き方そのものに疑問を持つのだ。このままじゃ、いけないんじゃないか。と。

 自分の意志を持たず、ただただ権力に巻かれ、その日が楽しければ良い。

 遅いのだ。死ねと言われてからでは遅いのだ。

 しかし、人間は支配されるのが好きだ。自由が大嫌いだし、不自由を好む。何やかやと文句を言いながら、不自由という檻の中で安寧を得る。しかし、それは、諸刃の刃だということに気付かなければならない。思考停止してはならない。何故なら支配する人間が必ずしも神だとは限らないからだ。そいつはいつだって自分の手足をもぐことができるかもしれない。両目を潰せるかもしれない。そんな奴に人生を委ねる危険。

 もっとしたたかになるのだ。相手を出し抜くくらい。殺す覚悟で臨むのだ。それぐらいでちょうど良い。頭を動かせ。目を見張れ。来るべき時に備えろ。

 バカは、体よく奴隷にされる。

 だから、映画を見ろ。小説を読め。見識を増やせ。

 死ねと言われてからでは遅いのだから。


 


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