「エモい」を知ったのは深夜の渋谷で

その人はTinderで「今日は朝までマッチングした人と通話し続ける」をしていた日の4人目でした。5時半。朝でしたね。

薬を飲んでから眠るまでの記憶が消えてしまうというやばい副作用を抱えたまま通話するのは楽しすぎました。わたしの知らない、わたしを知っている人がこの世にどんどん増えていきます。

その人と終電後の渋谷で会って、大衆的な飲み屋で哲学の話をしました。たまたま大学が同じなのが面白かったのでおたがいの学生証を見せ合いました。それ以上のことはあまり覚えていない。

そういえば高めのやばいツインテールで行きました、やばいお姉さんでした。ツインテールと、長身でかっこいいその人は深夜の渋谷を散歩しました、その人はたまに写真を撮っていました。

いつだったかまた突然に通話したら「死にたくない理由がない」って言っていました。最高ですね。

その人の感性は最高で、考え方も写真も最高なのに、全部「エモい」で片付けようとします。エモいって言葉を本当に使う人間をあの日はじめて見ました。

エモいはあまりに短絡的な言葉だと思っていたから絶対に使わないようにしていたのだけど、その人が使うのでわたしも意図的に使うことにしました。

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