インバウンド増加で可能性は無限大!宿を“ショールーム化”することで得られる付帯収益とは?!①〜あめつちメルマガ【vol.14】
「なんて素敵な家具なんだろう」
「この器は地元に縁のある作家さんの作品なのだろうか。ぜひ自宅用にも欲しい!」
「やっと良いモノに巡り合えたのに、買って帰れないのか…」
貴宿に宿泊されるお客様が、実は心の中でこんなふうに思っていたとしたら、どのように感じるでしょうか?
日々のお客様とのやりとりの中で、「あそこに置かれている〇〇が気に入ったのですが、購入できるのでしょうか?」といった質問を直接受けられるケースもあるとお聞きすることもありますし、
「そういえば、うちのスタッフがよくお客様からよく質問されるモノがありますね」と、ふとした時に思い出したようにお話しされる、支配人やオーナー様もいらっしゃいます。
ロビーに設らえられた調度品、廊下にさりげなく飾られているアート作品、さらに客室にあるお茶碗や置物や床の間の花器まで、お客様にとって館内の至るところにあるモノはまさに好奇の対象で、滞在中は一つ一つのモノとの出会いを楽しみ、興味深くご覧になっているとしたら、いかがでしょう?
そして、実はお客様は心の中ではもっと多くのモノに興味を持たれているのに、恥ずかさやコミュニケーションの煩わしさ(特に外国のお客様)から、質問したくても遠慮してしまって、できないケースもあるとしたら…。
お客様からわかりやすいリクエストがないから見えていなかっただけで、
「実は意外なところに潜在ニーズが潜んでいるかも知れない」と、新たなチャンスに気づくことになるかもしれません。
実は、宿というのは「宿泊」という本来の機能を超えて、活用の仕方、捉え方次第によって、これまでにはなかった新たな価値を提供できる空間です。
お客様が最長19時間もの長い滞在において、さまざまなモノとの出会いを楽しみ、五感を通してそれらを思う存分味わうことができる宿は、
“体験ショールーム”として活用できる可能性があるのです!
(※チェックインが午後3時で、チェックアウトが10時の場合、最長19時間、宿に滞在することができます)
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この「宿が体験ショールームになる」という発想の起点には、弊社代表の霜竹が以前行っていた事業で、箱根のある老舗旅館のオーナー様から耳にした、驚きの事実がモトになっています。
宿の設えから調度品、アメニティに至るまで、オーナーの目利きとこだわりが詰まったモノで埋め尽くされていたそのお宿では、「これが欲しいです。どうしたら購入できるでしょうか?」と、多くのお客様からリクエストがあったのだそうです。
(※詳しくはPR TIMESのSTORYでご覧いただけますので、ご覧になってみてください)
スタッフに質問をするお客様は、日本の良いモノ、職人技が感じられるような選りすぐりのモノを求める、比較的消費額が大きい日本人旅行客(準富裕層)が多かったようですが、「ここに、大きな可能性があるかもしれない!」と着目したことが、新たなサービスを考える、全ての起点になりました。
滞在中、お客様が「衣食住」の活動すべてを行う宿、旅行者にとっては宿の目利きのモノや、地域の魅力が凝縮されたモノと出会って体験できる、可能性の宝庫です。
「宿がショールームになる」
という発想は、一見、突飛なアイデアに思えるかも知れません。
しかし、このようなお客様からのリクエストは、ここ数年で徐々に顕在化しているように思います。
なぜかというと、「あそこに置かれている〇〇が気に入ったのですが、購入できるのでしょうか?」とお客様から質問を受けるケースがあると、耳にすることが増えてきたからです。
この背景には、訪日旅行者が増加していることが、第一の理由として挙げられるでしょう。
さらにもう一つの理由として、下記の図(昨年2023年度版の訪日外国人旅行者の意向)からも読み取れるように、訪日外国人が旅行に求める傾向として「地方とコト消費」に興味を示しているという流れが、ここ数年で顕著になってきていることもあります。
東京、大阪、広島などの主要都市、一通りの有名観光地を旅した旅行者は新たに「ローカル」を目指す流れが加速しているということは、以前noteでもお伝えした通りです。
さらに、旅行者は訪れた旅先で、「その場所でしか体験できないモノやコト」というニーズが、ますます顕著になってきているのです。
もちろん、「既存顧客は国内のお客様がメインで、外国人のお客様は今のところほぼゼロに近い」というお宿様もあると思いますが、昨今の旅行業界の動向から、訪日旅行者が増えていく流れは今後避けられない変化と言えそうです。
そして、この加速する流れから、宿泊施設にとっては、まさに千載一遇のチャンスが到来している、ということです。
日本の各地域には、都市と比べると生活習慣のなかに日本文化が色濃く残っているところが多く、訪日外国人旅行者は、地域の宿に滞在することで地域の文化により深く触れることが出来るということが、大きな魅力や価値となっているのでしょう。
旅行者にとって地域の宿は、「衣食住」を体験することで日本文化の奥深い魅力に触れ、ローカルの面白さに目覚めるきっかけをつくる旅の起点であり、旅中でふらりと立ち寄ることのできる拠点でもあるのです。
しかし、ここに非常に大きなポテンシャルがあるにも関わらず、そのニーズにうまく応えることができていない、という現状があることも事実です。
つまり今、宿の現場で起こっているのは、
旅行者にとっては、地域で心惹かれるモノに出会い、実際に触れて、見て、感じて、「これが欲しい!」と感じた時に、その場ですぐにできる購入できるしくみがない
宿にとっては、「実はここにニーズがあるかもしれない」と感じながらも、販売のしくみがないため、そこで止まってしまっている
ということ。
これは、非常にもったいなく、両者にとって機会損失が起こっている状況だと言えるのではないでしょうか。
次号では、今回の内容を踏まえ、改めて現状の課題を整理してお伝えするとともに、この課題を大きなチャンスに転換していける仕組みの可能性についてお伝えいたします。
ぜひお楽しみに^^
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