【月寿】運命。

🖋300字小説🖋
【越知月光×毛利寿三郎】
「運命。」

今まで運命なんてものを信じたことはなかった。
自分の人生は何となく進んでいくものだと思っていたし、それでいいと思っていた。
平凡で平坦で何事もなく──それなりに楽しく過ごせればいいと。
けれど彼に出会って初めて運命というものを感じてしまった。
「信じられへんわ」
自分のことを負かせた相手に惚れてしまうなんて有り得ない。
そう思ってみても恋心は膨らむばかりだった。
「……はぁ、幸せや」
彼のことを考えればそれだけで幸せで。
まさか自分の人生を変えてくれる人に出会えるなんて思いもしなかったから──これは絶対に、運命。

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