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Ep29.【あとがき】100%やりたい事をやっていますか?

2021.4.9

 まずは皆様ご愛読いただき、またコメントやメッセージなどもいただきありがとうございました!20年前の自分と邂逅しながら綴った一ヶ月弱、当時にタイムスリップした気分で書いていました。

 さて、3月半ばに財布に7万円を入れて出かけたこの旅、一ヶ月弱後に帰ってきた時財布には7万円が入っていました(笑)ご飯も食べるし、大雪でホテルに泊まった日もありました。最初の頃は毎日収入ゼロです。後半巻き返して、トントンで帰ってきたってことですね。

 100枚持って出かけたCDは62枚に。CDはただであげてしまったり安くしたりもしているので正確な販売枚数ではないけど、ちゃんと1500円でかってくれた方も結構いました。これが1000円だったらまた結果が違ったかもしれないけどそれは言ってもしょうがない。

 さてこの旅で自分が得たものはなんだったんだろう?自信?生きる目標?色々あるけど、一言で言えば「充実感」かな。仙台編で書いたけど。それまでの自分の人生は親から音楽を反対され、学校も仕事も100パーセント自分の意思だけでは決められなかった。それがこの旅で初めて自分がやりたいことを自分の意思でやって、自分の足で歩いているっていう実感を感じたんです。それは自分の人生ですごく貴重な経験でした。

 僕はこの後TBSのオーディションに受かり4曲入りのCDで全国デビューします。メジャー流通の扱いではないもののTBSホールというとても大きいところでライブをさせて貰え元SHOW-YAやプリンセスプリンセスのメンバーとも対バンさせていただきました。

 残念ながらその活動自体は自分にとってプレッシャーや不満、不安も大きく満足な結果を出すことが出来ないまま、志半ばで気持ちが折れてしまいます。当時応援してくれた方々には申し訳なさ、後ろめたさが残りました。

 しかしながらその後派遣を経てサラリーマンとなるなかで若い頃とは仕事に対する意識が大きく変わりました。簡単にいうと若い頃は仕事を嫌々やっていて、自分はミュージシャンになるから仕事は生活のためと舐めた考えで臨んでいました。

 しかし「プロになる」という活動を自分としてはできる限りの努力と情熱を持ってやり尽くした上で、自分の限界もみえ気持ちに区切りがついたのか、職場に対して「自分なんかを雇ってくれてありがたい」と感謝の気持ちを持てるようになりました。

 すると、仕事で評価されだし仕事が面白くなったのです。結局仕事が辛い、面白くないって、人間関係とか自分のコントロール外の要因もあるものの、自分の心持ちで大きく変わるんです。それに気づけて人生が大きく動きました。

 それから20年が経過して今自分はプロの作曲家として音楽を作ることでご飯を食べています。(サラリーマンがこの歳で作曲家になった経緯はまた別の機会に・・・)これといったヒット曲はありませんし人が羨むような華やかな暮らしをしているわけでもありません。

 けれど、最愛の妻と二人で音楽教室を経営し、猫に囲まれて毎日笑って暮らし、前妻とは離婚してしまったけれど良好な関係を築き、音楽好きな娘とは一緒に曲を作ったりカラオケに行ったり、信頼できる作曲家仲間にも恵まれ、一言で言うとあり得ないような幸せな人生を送っています。

 もしあの日本一周の旅に出ていなくても今の幸せはあっただろうか?否、きっと嫌々仕事をしていつも不平不満を言ってはつまらない人生を送っていたでしょう。いや、仕事どころか、どこかでのたれ死んていたかもしれませんね。

 ここで言いたいのは「やりたい事をやれ」「自分の人生自は分で決めろ」って事ですね。迷ったら行動した方がいいです。失敗してもいいです。

 僕は20年前に目指したシンガーソングライターとして成功する事はできませんでしたが、その挑戦は無駄だったでしょうか?とんでもない。サラリーマンをやっても、対人関係一つとっても旅の経験は自分を大きく変え、自分にとってかけがえのない財産となりました。結果が出せなくとも挑戦した過程は必ず自分のプラスになると思います。

 最後に当時お世話になった家族、友人、出会った人々、本当に心からありがとうございます。あなたたちのおかげで青山は今生きています。旅から帰京後にも多くの方々に多大にお世話になりました。自分が元気なうちに少しでも良い曲、良い音楽を産み出すことがその恩返しだと思っています。これからもより一層頑張っていきます。

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