前川清の孫が荒城の月を歌っていた

彼女は寝言をよくいう。

今朝は「荒城の月って前川清が歌ってたんだっけ」と。

「違うよ、滝廉太郎だよ」

「あっそっか、って夢だった。前川清の孫が荒城の月を歌ってた」と言う。

「ど、どゆこと?」

「あのね、洗濯物がたくさん干してあるお家のお風呂にね、子供がいて、その子が荒城の月を歌っていたの」

それはなかなかシュールな画だ。

「その子は6ヶ月なのに抱っこするとめちゃめちゃ重くて、でこの家は前川清の家でその子は前川清の孫なんだよって言われた」

なるほど。

なんだかとても縁起のいい夢に聞こえる。

「あとね、違う夢も見てた。社会学者の古市さんの部活に入ろうと思って、いってみたらタイトルかすごく難しそうで」

「やっぱやめようと思って公園でぼーっとしてたらなぜか自分がダウンジャケットを持っていることに気づいて、そしたらそのダウンジャケットの中から大量の消しゴムがボロボロって出てきて、その時、私は自由だ!って思ったのよね。そのあと前川清さんの家に行ったのかなあ?」

なんだか明るい夢だなあ。

ちなみに僕はレキシというバンドのボーカルの池ちゃんと言うアフロのお兄さんと一緒に居酒屋のカウンターで飲んでいて、店員さんに妙なサラダを勧められている池ちゃんの手の甲を、横からからトントントンと小指で叩いている夢を見ていました。

「前川清!」の声で目覚めた僕の小指が叩いていたのは実は彼女の手の甲でした。