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雨の記憶ー感謝ー


いつもより早く目が覚めると
何をするわけでもなく何を考えるでもなく
窓の外を眺めることがある。
考えごとをしているわけではなくて
かすかに聞こえる生活の音や風に
揺れる葉の音を意識的に聞くと
ほわーって心が穏やかになる。

あらゆる生活音が消える雨の日の空気が好きで、
水に浮いて自分だけの世界になる感覚が好きで、
大自然の音や匂いだけを感じるあの時間が好きで、
こういう時間や感覚って誰かに話しても
共感されることはあまりなくて、
それはそれでいいんだけど。
でもそんな自分の感覚と似ていたり、
認めてもらえることがこんなに嬉しいものかと
気がついたこの頃。

涼しい夏を過ごしてみたい、
それが一番の理由で決めたこの土地に
特別なにかを期待したわけではなかったのに
想像以上にたくさんのものを与えられた。

手放すことの痛みや失うことのつらさもありつつ、
日々笑っていられたのはここにいたからで
そうさせてくれる人たちが周りにいたから。
出会うべくして出会えた、
なんて壮大かもしれないけれど
いまこのタイミングで出会えて本当によかった。
与えられたものを一つずつ思い出すだけでも
泣きそうになるのでここまでにしておく。

新しい出会いと再会のために選ばれた土地、
この先もきっと忘れることがない時間。
印象的な出会いをいくつか書き留めておく。

■一時帰国した幼なじみと5年ぶりの再会。
幼い頃から夏は長野で過ごすのを知っていたから
もしかしたら、と思っていたら
お互いにこの日なら!という奇跡。
人生初の長野駅にどきどきしながら
車を走らせたっけ。
数年ぶりなのについ昨日も会ったみたいな
いまも昔も変わらないこの関係が嬉しかった。

■お世話になっているご夫婦との再会。
高校生の頃から面倒をみてくれているふたり。
「秋頃そっちへ旅行に行くから、
近かったら会えるといいね。」と連絡をもらって、
まさか自分のいるホテルに宿泊するとは
思ってもみなかったから、こんなことあるんだって
いま思い出しただけでも鳥肌ものだな。
お別れではなく、再会の喜びで
涙を流してくれるまっすぐで素敵なふたり。

■写真を通してつながった友人との出会い。
写真から伝わる空気や温度がとても好きなの。
あとは好きな音楽についても
分かち合えたことが嬉しかったな。
北海道に興味を持ったのは
その人の影響を大きく受けたから。
初めて会ったのにそうじゃない空気感で
おしゃべりできたのがとても心地よくて
こんな不思議なつながりがあるんだなと
新鮮な気持ち。SNSを辞めても
つながっていたいなと思った時と同じ、
これからもつながっていたいと
思わせてくれる友人。


出会えてよかったなと思うと
その人への感謝や思いが言葉として溢れて、
だからこんなにも長い文章になるのだけど笑
どうしても伝えたい理由がそこにはあって。

わたしに人の優しさと愛を教えてくれた人は
もうこの世界にはいないけれど、
とても大切なことを残してくれたの。
感謝や愛を伝えたい人がいるなら
それを思った時に言わないと、
明日どうなるかは誰にもわからないということ。

大学の課題の締め切りに追われていた日々。
また夕方にでもかければいいと思った電話。
またあとでが来ることはもう二度となくて、
ありがとうも大好きだよも何も伝えられず
自分の心のなかにあるまま過ぎた日々。
人生で一番自分を憎んだ日。
もう二度とあんな後悔はしないと決めた日。

だからわたしは、限られた自分のいのちで
出会えたひとや時間を大切にしていきたいし、
自分の思いが伝わるようにと思って
これからも生きる。
ほんとうに出会ってくれてありがとう✳︎

そんな綺麗なことを言っている側、
不安な気持ちをぽつり。

実は新しい場所や環境はとても苦手。
行きたがりの怖がりというのか、
行ってしまえばいいんだけど。
直前になると行きたくない病を発症するので
何かしらの理由をつけて辞めたくなる。
飛行機欠航になって取りやめならんかなとか、
あなたより良い人材見つけたので
白紙にとか言われんかなとか、
どこかで足の小指骨折しんかなとか。

憂鬱になるし心臓ばくばくで眠れやしない。
人見知りだから新しい関係つくるのも億劫だし
音楽と本とアニメだけが友達でいいと思ってる。
でもきっと良い出会いがあるのもわかってる。
とりあえず色々な感情をもっていくけれど、
わたしの大好きな土地が
わくわくした気持ちに変えてくれることを
信じていってきます。





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