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ノンフィクション

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ふざけていない文章
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記事一覧

良い心持ちの淵辺には、寂しさに負けてる料理とかがある。

料理にミックスベジタブルが入ってることがある。お馴染みでありながら特段美味しかったり不味…

ここに居ないほうが良いですか?と言った女の人に、はいそうですね、と言ってしまった

空調の仕事でオフィスビルによくお邪魔する。作業のなかで天井裏を覗くことがあって、その際真…

完璧な顔して都会を歩く

完璧な顔で都会の雑踏を、みんな仲間だよねみたいなフリして歩いてみる。でもなぜかその一員に…

全パン屋の客に告ぐ

もっと穏やかな気持ちでパンに接してください。あなたたちパン屋でパンを吟味している客の目つ…

人はヤドカリ

昔読んだ文章で納得するものがあった。 『人は街中などでイヤホンをすることで現実世界との隔…

出来損ないのフィクションに寄り添っている

むかし、昭和の邦画かなんかを観ていましたら濡れ場シーンで50ぐらいのオッサン役が演歌を一節…

パチンコ大学灰皿前

パチンコ大学というパチ屋の前を歩いていた。自動ドア横に置かれた灰皿で80歳ぐらいの爺さんがカフェオレ色の紙巻きタバコを吸っている。 このちょっと奥が目的のラーメン屋だ。入る。 食べ終えて戻る道、少し先パチンコ大学の灰皿のちょっと手前あたりだろうか、歩道の真ん中で70代半ばの小綺麗な爺さんが下を向いてチョンチョンと何かを蹴っていた。 近くなるとそれはバッタだと分かった。 普通道端では見ることがない立派な大きさだった。 爺さんは近づく僕に目もくれずバッタにかまっている。 その

僕はカレーに恋をして醒めている

昔からの癖で、家でカレーを食べておかわりするとき盛る量が多過ぎるというのがある。 他の献…

空と信号機と電柱

小学生の頃家族で車で遠出した帰り、最寄りのインターチェンジを降りるあたりに差し掛かると僕…

肉体がしている記憶

爪を切ると身体が軽くなるよと母から言われたのを覚えている。たしかにそう感じる。 半年ぐら…

人助けは気持ちが良いと思い切れなかった

正午ごろ、仕事をし終わりコインパーキングに止めた車で片付けをしていたところをおじさんに話…

夏が終わる

襲いかかる熱の圧力のごとき厳しい暑さも、引くと、無くなると、落ち着くと、隙間を感じる。隙…

屁のマナー

ひと月まえ、電車に乗っていたときのことです。 車内は空いていて皆が座って半分座席が埋まる…

とものりくん

10年ほど前、携帯によく間違い電話がかかってきていた。 ある日、携帯の留守番電話に知らない番号があり聞いてみると 「とものりく〜ん?」 と、7、80代ぐらいのお婆さんの声が入っていた。 僕はとものりくんではない。のぶひろくんだ。 間違えたんだなと思ってそのままにした。 数日後、知らない番号から着信があった。 出ると 「とものりく〜ん?」 とあのお婆さんの声。 あっ留守番電話のだ、と思って僕は 『番号間違えてますよ』と、冷たい言い方にならないように注意して伝えた。 だが