屁のマナー

ひと月まえ、電車に乗っていたときのことです。
車内は空いていて皆が座って半分座席が埋まるほどでした。
私の2つ右に45歳ぐらいのおっさんが座っていました。

あるときおっさんが片尻をあげて思い切りデカい屁をこきました。
かなり驚きました。

屁は生理現象ですから仕方のないことだと思います。
ですが屁をこくことにもマナーはあります。

と言っても、
二礼二拍手一屁一礼
のような神社で屁をこくときのいわゆる『作法』じゃないんです。

態度や姿勢といった、こちらの内面のことです。
慎ましさです。
そしてそれを顕現する実際の屁の音色です。
つまりは、せきとめようとしていたが自然に出てしまいましたって感じの、稚魚を川や海に放流するようなリリース感を持たせるのが公共における放屁のマナーかと思います。
そうすれば私やまわりのみんなも屁だね仕方ないねって感じで受け入れられます。

先のおっさんはどうでしょう。
リリースどころか、むしろ人の手が加えられた腹圧のプラス補正がかかりまくった屁です。
黒板を引っ掻く音が危険を知らせる不快な音のように、なんかデカい屁ってその人の怒りが乗っているんです。怒声を聞いたら誰だってびっくりするし怖いでしょう。

だから気をつけたい。
顔は真顔でも心中は、神前の如く二礼二拍手一屁一礼。合ってはいなくてもこれに間違いはない。

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