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20240714開店後記

唐突に3年書いていなかったnoteを更新してみる。

今年の4月に喜茂別町に越してきて、5月から月に一度古本屋の販売を始めた。2021年に開業してから、対面販売の機会はほぼなかったが、こちらに来てから多くの方の協力を得て、月に一度営業できている。

今月は喜茂別町内、鈴川小学校でのイベントにて古本を並べる機会を得た。
学校の児童、先生方はじめ、企画・広報を買って出てくれたSISUMO上村さん、札幌から来てくれたモルック・ボッチャチーム「火の玉S(ストレート)」、ほか出店者の方や、近隣の住民の皆様、ご来場いただいた皆様(札幌や留寿都、真狩、蘭越などからも)の支えがあってこその一日になりました。感謝してもしきれません。この場を借りて、心から、ありがとうございました。

毎度本を販売するときはうれしい気持ちを持ち帰るのだけれど、今日はいつにも増して、本を見ていく方たちの姿を眺めながら、グッときていた。

ここでちょっと自分語りを。
わたしの実家から徒歩5分のところにあるスーパーには、かつて本屋が入っていて、小学生のころ(たぶん中学年頃から)、母の買物について行っては、母が買物をしている間は、本屋で過ごすことが多かった。毎月『小学〇年生』という雑誌を買い、高学年になるとそれに加えて毎月『ちゃお』を買った。マンガは唯一『彼氏彼女の事情』を買いそろえていて、新刊チェックにはぬかりなかった。そして、リカちゃん人形の洋服作りの本のあるコーナーと、銀色夏生コーナーに、飽きることなく本当によく行った。そこでリカちゃん人形の洋服作りの本を買うでもなく、銀色夏生さんの本を買うでもなかったのだけど、やっぱり本屋が好きだった。その後中学生くらいだったか、本屋はつぶれて、チェーンの古本屋になった。古本はとても安くて、今度は『NANA』と100円コーナーですきな作家のコーナーとCDを見に、よく行った。銀色夏生さんの本も古本屋ではよく買った。よしもとばななさんの本に出会ったのもこの頃。

今日。小学生が何度も何度も本棚の前で悩んで悩んで、そしてやっと手にして自分のお財布から本を買う。かつて自分がそうしていた、その姿を見られたことが、今日はなんだかとってもとっても嬉しかったのです。札幌に行けば本屋はあるけれど、自分の住む町で、本を選べる経験。ネットではなくて、自分の目で見て、選択できる自由。古本屋をやっててよかった、と思わずにはいられませんでした。

他にも、楳図かずおマンガが小学生に人気なのも見ていて面白いし、「本は読まないんだわ~」って方も、お友だちやご家族と一緒に来場して「あら、これ面白そうだわ」って雑誌でも写真集でも買ってくれたら、もしくは普段料理をしないらしいお父さんが「これ家でやるんだ」ってレシピ本を買っている姿を見たら、これはもう、古本屋冥利に尽きるとしか言いようがありません。



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