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(エッセイ)なんじゃもんじゃ博士

なんじゃもんじゃ博士を知っているだろうか?
「おしゃべりなたまごやき」や「ぞうのたまごのたまごやき」の作者である長新太が描いた20年以上前の漫画である。内容は「なんじゃもんじゃ博士」と友達のゾウアザラシとの冒険の旅を描いたもの。

僕とこの漫画の出会いは古く、僕がまだ幼稚園児の時に母親に読んでもらっていた記憶がある。今でも僕の部屋には、読み過ぎてボロボロになったなんじゃもんじゃ博士の「ハラハラ編」と「ドキドキ編」の2冊が本棚に並んでいる。

今年美術館になんじゃもんじゃ博士の原画を見に行く機会があった。そこで、僕は一つ疑問に思った。「あれ?そういえば、なんでこんなにもこの漫画好きなんだろう?」。話がおもしろいから?絵がかわいいから?…、どっちもしっくりこない。

そうやって考え抜いた結果、僕はなんじゃもんじゃ博士の「意味が分からないところが好き」なことに気が付いた。この漫画を読んだことがある人ならわかると思うが、なんじゃもんじゃ博士は本当に奇想天外な漫画である。ゾウアザラシがイノシシになって博士を追いかけたり、バスだと思って乗り込んだのが毛虫だったりと意味が分からない。でもこの意味の分からない感じがいい。クセになる。

僕は今年で社会人2年目だが、社会に出て気が付いた。大人の世界は何に関しても意味を求める。「それどういう意図があってやったの?」、「それにはどんな意味があるの?」、「これをやることのメリットは?」。非常に疲れる。

意味は分からないけど、なんか面白いから好き。この感覚を何歳になっても忘れてはいけないとなんじゃもんじゃ博士を読んで思った。

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