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自由研究【ショートストーリー】

 チャララチャララ。心弾む音がする。ポテトが揚がったことを知らせるメロディーだ。熱々を口にする。どうしてこんなにおいしいんだろう。じゃがいもの種類か産地か。

 フライドポテトについて調べてみよう。大人の自由研究。考えただけでワクワクする。バーガーと一緒に、トレイの上で整列していたフライドポテトは、あっという間に食べ終わってしまった。

 フライドポテトの研究はやり尽くされているだろう。結果が同じであれば、研究自体が意味のないものになってしまう。仕事の傍ら、研究に取り組んでいた時

『先行研究がある、独自性を打ち出せなければ意味がない』と言われた。

 やりたいことは、ことごとく否定された。体裁だけ整えた論文を完成させても、当然評価されないし、看護界の発展に寄与することもなかった。

 誰のためでもない、発表するでもない。ひたすら好きな食べものについて調べる。食べる。大人なんだもの。それでいい。

 食べ終わったトレイを片付けて店を出た。さあ、次はどこのフライドポテトを食べようか。夏は始まったばかりだ。


文披31題Day21「自由研究」
「自由」「研究」
どちらも苦手です

こんなん(どんなん?)
書いておりますが
割と枠から飛び出せないタイプの人間で
素顔のわたしは
『真面目すぎる』と何百回も言われ続けてきました
なんかオモロイこととか考えられへんし
看護の世界では研究者もいるけど
わたしは臨床にしかいられない

フライドポテトおいしいですよね
個人的にはびっくりドンキーのが好き

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