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【試写レポ】『私はヴァレンティナ』試写会【12_2022】

ごきげんよう。雨宮はなです。
今回は久しぶりにFilmarksさんにお呼ばれして、行きつけになりつつあるユーロライブへ。試写会直前に終わる『チェチェンへようこそ ーゲイの粛清ー』を鑑賞し、人権問題を扱った作品をはしごする形で参加しました。

今回は映画作品、トークイベント、試写会の様子について語ってまいります。

作品について

作品としては良質だと思うのですが、個人にはあまり刺さらなかったです。これはむしろ当然かもしれません。というのも、この作品は非常に教科書的な内容で、かつ、わりとありがちな内容でケーススタディが多い感じななため、当事者にとっては「あるある」だったり共感するシーンが多くあると考えられます。私個人は当事者でないこと、また身近に悩む人がいないため「事例を重ねたドラマだ」という認識になってしまった結果だと考えています。

ただ、主人公に起こった悲劇や悲惨な様子をドラマティックに描くのではなく、あくまで生活の中で起こりうることを主人公に体験させ、周囲の人間もサポート役として映画的に扱うのではなくひとりの人間として描くのは新しく感じました。

LGBTQを扱う作品って、ミュージカルだったりショウビジネスに関係ある設定ばかりな気がしていて、純粋にドラマのみという作品は初めて観ました。なので、先にも書いた通り日常を描いているので派手な衣装もセットもなく、特別な美形がいるでもなく。なんなら、主人公のヴァレンティナも「かわいい」と迫られたり性被害を受けるけど、ナイスバディではない。本当に「そのへんにいる」人たちの物語です。

そんなにたくさんの映画を観たわけではないけど、過去に観たどの作品よりも「現実での出来事」「特別でない」「日常の一部」として描かれているように感じました。

トークイベントについて

司会に奥浜レイラさん、ゲストにイシヅカユウ(モデル)さん、春名風花(声優)さんという顔ぶれでした。ゲストのお二人は全く存じ上げませんでしたが、奥浜さんとの相性が良かったみたいです。聞いていられるトーク内容になっていました。

イシヅカユウさんはご自身がトランスジェンダーということで経験談などもまじえて話していただけることを期待してのゲストだったようです。選ばれる言葉も非常に他者を思いやり、客席側に届きやすいものを選んでお話されているように伺えました。また、もうひとりのゲストにもしっかり耳を傾け、そこで感じたり考えたことをすぐに自分に反映させられる感性の柔らかさを感じました。モデルさんということもあって舞台映えのするお召し物でいらしていただけでなく、立ち姿・歩き姿まで美しかったです。

春名風花さんは、なんて言えばいいのか…。自覚されてないと思うのですが、所々がものすごく上から目線で人様を馬鹿にしているのがよくわかる話し方をされる方でした。正直、トークイベントには向かないと思います。また、ものすごく「自分が!」という意識が強いタイプと感じました。不要なマウントやエピソードが多い。聞いていてものすごく疲れました。声優としてのキャリアもさほど無いみたいだし、”ちょっと高めな声の元気っ子が声優に挑戦します”っていうのが正しいかと。あの立ち居振る舞いは完全にテレビタレントだと感じました。

試写会の様子について

ほぼ満席でこの映画や扱われる内容への興味の強さがうかがえました。ただ平日だったため、トークイベントへの出席率は少し下がっていたようです。今回は後ろの方のお席で会場ごと眺めていたのですが、トークイベントに残ったのは7~8割程度だったように覚えています。

入場受付も最後の方になるとほとんど席が埋まっていたし、途中まで荷物を置いているだけの人も多かったので、入場した人たちが空席を探しづらそうにしているのが印象的でした。

身体の障碍を盾にしたようなセリフが聞こえてきたり、そのひとが上映中にビニールをガサガサ言わせながら何かを食べていたのは気になりました。また、高齢女性が自分の隣が2席空いているにも関わらず二人組の来場者を前に我関せずを決め込んでいたのもどうかと思いました。「そこ、たぶん空いてますよ」と二人組さんにお伝えし、ご自身で「ここ、誰か来ますか?」とお声掛けされて解決していましたが。

ユーロライブでの開催のわりにマナーの悪さが目立ちました。最近色んなところに応募していての感想ですが、正直なところ、Filmarksさん主催だったり大多数を集客しているときは結構マナーが悪い人が多いです。完全な解決は難しいにしても、確認と対応を求めます。

さいごに

作品の最後に流れたテロップにとても惹かれました。

ブラジルでトランスジェンダーのうち82%は途中で退学する。
そして、平均寿命は35歳だ。

作品全部を観たあとでこのテロップを読み、一気に”ヴァレンティナ”への興味が湧きました。再度鑑賞したら、受ける印象が目に入ってくる情報が変わってくる気がしています。

そんな期待ができる『私はヴァレンティナ』は、4月1日(金)よりロードショー!

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