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【午前十時の映画祭11】映画『ファーゴ』を観てきた【27分の24】

ごきげんよう。雨宮はなです。
今回は盲点というか伏兵というか、大して気にしていなかったけど「そういえば興味ないのがあったなぁ」という作品でした。あまりにも興味が無かったので、事務局オフタイム頼りでした!

※ここから先はネタバレを含みますので、ご了承いただける方のみ読み進めてください。

これは…なんだ?

事務局オフタイムを聞いたうえで、つまり、あらすじとネタバレを聞いたうえで鑑賞したのです。映画初心者の私にはわからないような細かいネタなんかも解説されていて、それを聞いての感想が「これは…なんだ?」なのです。

映画館からの帰りの電車でWikipediaだのFilmarksだの、他にもいくつかのページを参照しました。すると大半が「サスペンス」とジャンル分けしていて、一部が「ブラックコメディ」としていました。そこで合点がいきました、「なるほど、だから私にはわからなかったんだ」「事務局オフタイムが言ってたのはそういうことだ」と。

オリジナルのポスターには「ホームスパン・マーダー・ストーリー(Homespun Murder Story:粗野な計画殺人の物語)」と文句が書かれているんだそう。なるほどたしかに。まさしく、まったく、そのとおり。出てくる像で「嘘ばっかりだよ」と教えてくれる、ファーゴなんて出てこないのにファーゴというタイトルのついた、なんとなくズレがあってそれを面白がる映画なんだと。

ズレと融通

ズレがあるのです、それも、しょーもなくて気づいたら苛々しちゃうようなズレが。でも、それがコメディの部分なんだと気づいたのは帰ってきてから再度事務局オフタイムを聞いてU-NEXTで本編を観直してからのこと。その微妙なズレを面白がれるかどうかは、きっとその文化圏で育っているかどうかが大きいのでしょう。もしくは、かなりたくさんの映画を観ていて「そういうもんだ」と判別・認識できるかどうか。

私は判別も認識もできず、中途半端な不快感を覚えていました。居心地が悪いというか、「なんでもっとちゃんとできないんだろう」って思うシーンが多かったです。その不快感…ズレを楽しめないのは融通の利かなさの現れでもあるなぁと気づいたときに少し落ち込みつつも、すっきりした気分になりました。

妥協と安心(安全?)

融通を利かせることを妥協というならば、私から見た主人公(?)のマージはまさしく妥協を享受する人物です。ただ、彼女にとって妥協は安心を得るための手段のようにも考えられます。
うだつが上がらない夫のことをなんとなく嫌そうにしつつも妊娠中な序盤に比べ、最終的にベッドで肩を寄せ合うときの表情は「これでいいのだ」と自分に言い聞かせるような張り付けたような笑顔です。

物語の最初のほうでは夫や部下をはっきりと否定しないまでも、ちょっと間を置いたりして「自分は違うと思っている」ことを示していたように思うのです。ただ、物語の進行とともにそれが無くなってくる。段々と妥協を選んで覚えて行って、慣れていっているように感じたのです。ケースバイケース、というのでしょうか。教科書通りな選択を繰り返していたら、最後も犯人を確保できていなかったかもしれません。

ただ、基本的に成功している(犯人の確保、世間的にいえば結婚・妊娠、署長としての地位)ので、犯人護送中に「お金のために人殺しなんて。お金より大切なものがあるでしょうに」といった説教を口にします。それを聞いている犯人は「本当かよ、どうだか」とでも言いたげな表情をしているし、言った本人がそう思ってなさそうな感じでセリフが浮いてしまっていたのが印象的でした。そこへ、大して稼げもしない夫とのラストシーンがくるのです。私はお金より大切なものを選んだぞ、とでも言いたかったのでしょうか。

さいごに

ナンバープレートのジョーク(J3L2404について)はいくら検索をかけてもわからないので、監督が生きている間に解説してくれたら嬉しいなと思います。海外版なら解説しているページがあったりするのかな。調べものをするとき、道案内をするとき、ジョークのシーンなんかで原語を理解できたらなと思うのでした。

最後まで読んでくれてありがとうございます。
ではまた次の記事で。ごきげんよう。

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