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映画には旬があるじゃないですか。

ごきげんよう。雨宮はなです。
食べ物や服に旬があるように、下着にも映画にも旬があるってご存知でしたか?
意識したことはなくても、なんとなく気づいてたりしませんか?
だってほら、夏にはホラー作品が増えるし、冬にはクリスマス系のロマンス作品が増える。
いわれてみれば、ね。そうでしょう?

気づいちゃった、冬

私がそれに気づいたのは2018年の12月のことでした。
当時私は派遣先でセクハラを受けたことが原因でメンタル不調に陥り、必要最低限の外出しかしない、ほぼ引きこもり状態でした。
日用品と食品の買い物の他に、唯一外出する理由、それが映画だったのですが。

その夏からのブームで、私はTSUTAYAに通っては旧作を4本まとめて1週間レンタル、それを繰り返していました。
その流れで気づいたのです。
「夏と眺めている棚が違うぞ」と。

冷やしたい夏、暖めたい冬

怖いのは嫌いだとホラー作品を避けていたものの、2018年の夏から手を出すようになりました。
ホラーだけでなくスリラーも観るようになったんですけど、観賞した作品の関連作品やら予告編にあった別作品やらが気になって、数珠繋ぎに観るわけです。
選ぶ4枚がホラーとスリラーだけで構成されてることなんてザラ。
恐怖やスリルを感じてヒヤッとしたかったんでしょうね。
ジャンルが固定されているから、ほぼいつもホラー/スリラー棚にいました。

それから季節が変わり、手に取るディスクに変化が訪れました。
ホラーとスリラーにドラマが混ざるようになり、そこにラブコメが加わるようになり、ロマンスも仲間入りしました。
ホラーとスリラーはどちらか片方だけが選ばれるようになり、ついには完全に追い出されてしまったのです。
ドラマやロマンスもハッピーエンドだったり、暖かい気持ちになるものが選ばれていました。
12月になる頃には、ロマンス棚の住人と化していました。

単純で素直で健全な精神

ロマンス棚のいちばん下の段を眺めながら、ふと気づいたのです。
そう。「夏と眺めている棚が違うぞ」と。
本当に唐突に頭にビシャン!と叩きつけられるように気づいたそれを、忘れないように急いでスマホでメモし、『ブリジット・ジョーンズの日記』を手に取ると他の3枚と一緒に貸し出し処理をするためにレジに向かったのでした。

帰宅して一番最初にしたのは借りてきたばかりの作品観賞ではなく、さきほどの気づきについての考察でした。
夏から借りた作品を振り返り、過去のツイートやスケジュール帳の記録を頼りに当時の自分の精神状態や思考回路をたどりました。
作品名、借りたときの気持ち、作品名、借りたときに考えていたこと…書き出してみると、それは明らかでした。
”季節によってものの感じ方や求めるものが変化し、それが借りる作品に反映されている。”

旬が見えるようになった

それからはTSUTAYAの商品展開や、アマゾンプライムビデオのラインナップを確認するのがとても面白く感じられるようになりました。
それに、プライムビデオの「もうすぐ見放題から削除される作品」を予測したり、それを踏まえて鑑賞する優先順位をつけられるようになりました。
おかげで、ある程度自分が観たかった作品をお得にたくさん観るためのコントロールができていると思います。

映画館での観賞も「季節のイベント」として楽しむようになり、いつも変わらない施設の中に四季を見るようになりました。
季節だけでなく旬を考えたときに、劇場公開が終わってしまいそうな作品から優先して観賞するようになったり。
(この夏は人権問題が非常によくとりあげられていたから『SKIN』を観ようか、とか。)

旬に気づいて意識するようになって良かったと思うことのひとつに、「話題にしやすくなった」ってのがあります。
誰かと雑談をするときに、ざっくり「映画」というワードを出すだけだと広げるのも回収するのも大変だったんですけど、旬に気づいてからはなんとなく話しやすくなりました。
”旬”のものは人が食いつきやすい、反応がしやすいものだってわかるから。

服だけじゃない、食べ物だけじゃない。
映画にも旬がある。
ぜひ、味わってほしい、映画の旬。

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