女系天皇とは?女性天皇との違いをわかりやすくサザエさんで説明
2019年4月、天皇陛下の生前退位に伴い、平成から令和へ時代が変わりました。
天皇家は、神武天皇を初代として代々ご親族の中で皇位継承されており、今上陛下(令和)で126代目となります。
皇位継承のニュースを見ていると、「女系天皇」と「女性天皇」という言葉が出てきますが、その違いをご存知でしょうか?
朝日新聞が行った女性天皇、女系天皇の皇位継承についてのアンケートでは、7割以上の方が容認すると答えていましたが、回答者は2つの違いについてご存じなのか疑問が残ります。(参考:「容認」7割超、女性天皇も女系天皇も 朝日世論調査)
今回は、そんな女系天皇と女性天皇の違いについて、サザエさん一家を例にわかりやすく説明していきます。
女系天皇と女性天皇の違い
現在の日本は、ご存じのとおり今上陛下は男性です。
そして、上皇陛下も男性です。
よって、その息子に当たります今上天皇は、男系の男性天皇です。
もしも今上天皇の娘様である愛子内親王殿下が皇位継承した場合、男系の女性天皇となります。
さらに愛子内親王殿下がご結婚され、子どもを産み、その子どもが皇位継承した場合は女系の天皇となります。
つまり、女性天皇とは「女性の天皇」であり、女系天皇とは「女性天皇の子どもの天皇」ということになります。
過去にもいた女性天皇
過去に女性天皇は8名いらっしゃいました。
うち2名は二度天皇となられたので、8名・10代の女性天皇が存在していたことになります。
しかし、いずれの天皇も未亡人か生涯独身を通されたとされています。
「皇室典範に関わる有識者会議」資料を参考に作成
名前の前の数字は歴代数 ・★と☆はそれぞれ同一人物
表を見ていただけたらわかるように、過去の女性天皇たちの中に、天皇となられた後にご結婚し、子どもがお生まれになり、その子どもが天皇陛下に即位したという例は一度もありません。
つまり、次の男系男子に繋ぐためのピンチヒッター的な役割を担っていたという事になります。
こうして皇位は、男系で継承されてきました。
ちなみに皇位継承の話をしていると、明治天皇すり替え説を話してくる方がいらっしゃいます。
そのような話を耳にされた方は、こちらのブログをご覧になると違うということがわかるかと思います。
女系天皇になると王朝交代!?
ここで少し生物学的なお話をします。
動物行動学研究家の竹内久美子氏が、下記のような記事を書いております。
人間は22対の常染色体と一組の性染色体を持っている。性染色体は女でXXで、男でXYという状態だ。常染色体と、女の性染色体の場合は対になっているので生殖細胞がつくられる際に交差が起きる。染色体のどこかに切れ目が入り遺伝子を交換するのである。
ところが男の性染色体であるXとYは、対になっていない。そのため交差が起こらないのだ(ただし厳密には、最末端部分では交差が起きるが、その他の部分では起きない)。よってYは父から息子へまるまる一本、ほとんど変化することなく受け継がれる。
日本の皇室では少なくとも、そして知りうる限り、千数百年にわたり、ほとんど同じYが受け継がれている。Xや常染色体上の遺伝子は交差などによってばらばらとなるなど、世代を経るごとに変化するのに対し、Y上の遺伝子はしっかりと保存されているのだ。
引用:JAPAN Forward
つまり、愛子内親王殿下が天皇陛下に即位したのち、皇室典範が改正され将来愛子内親王殿下がご出産したお子様が皇位継承した場合、史上初の女系天皇誕生となり、先祖代々受け継がれてきた天皇家のY染色体ではなく、愛子内親王殿下とご結婚された父方の新たな家系のY染色体を持つ天皇陛下が誕生したということになります。
そうなると、日本最古の書物「古事記」の時代から脈々と受け継がれてきた今の天皇家ではない、わかりやすい言葉で言うと新しい王朝が誕生したということになります。
女系天皇と女性天皇の違いはサザエさんで説明するとわかりやすい
女性天皇と女系天皇はまったく違うということがわかりましたが、サザエさん一家を例にするととてもわかりやすいです。
まず、現在の天皇家が磯野家だとします。
現在の天皇陛下をサザエさんの父「磯野波平」としましょう。
現在の天皇家同様、男系の男性天皇ですね。
波平の子はフグ田家に嫁いだ長女のサザエさん、長男のカツオ、次女のワカメがいます。
男系の男性天皇となるのはこの中ではカツオだけで、男系の女性天皇となるのはサザエさんとワカメの二人です。
長女であるサザエさんが皇位継承した場合は男系の女性天皇となり、家系的には今までの磯野家で変わりません。
しかし、サザエさんが崩御もしくは生前退位されて、跡継ぎがサザエさんとマスオさんの子どもであるタラちゃんになったとします。
するとここで、今まで続いてきた磯野家からフグ田家へと王朝が変わってしまうのです。
この場合、磯野家を継続させるためには、男系の男子であるカツオが次期天皇に即位するのが従来の形です。
今の話をわかりやすく図にまとめたのがこちらになります。
昔の人は染色体なんて知らなかったのでは?
皇位継承のお話をする時に、染色体の話を持ち出すと「昔の人はそんなの知らなかったから関係ない」という人もいらっしゃるようです。
今では教えられていませんが、古代にはこのような教えがありました。
わが国では古代から「人の肉体(身(み))には霊(ひ)が宿る」とされてきたことによります。
別な言い方をすると「肉体には必ず魂が宿る」のです。
このことを前提として、子を産むことができるのは女性だけです。
つまり女性の「身(み)」が、赤ちゃんを産みます。
その赤ちゃんに「霊(ひ)」を授けるのが男性の役目です。
すこしきわどい言い方になりますが、古代の考え方の節目ですのでご容赦ください。
男性は「たま」で「魂(たま)」をつくります。
その「魂(たま)」を女性の胎内に挿(さ)し入れることで、赤ちゃんは魂(たま)を授(さず)かります。
皇統は、わが国最高神の天照大御神から続く御神霊(ひ)の流れです。
それが天皇が国家最高権威とされる最大の要素です。
ですから皇統というのは、「身」の血統ではなくて、霊(ひ)の霊統です。
そして霊(ひ)は男性が授けるものですから、男系であることが天照大御神からの霊統を保持することになります。
これは皇位を継ぐ人が女性であっても構いません。
なぜなら女性に生まれてきたとしても、男系の霊(ひ)が保持されているからです。
これが女性天皇が歴史上に存在する理由です。
ところがその女性が、他の家系の男性と結婚して子が生まれると、その子は天照大御神からの霊統ではなく、別な霊統の霊(ひ)を授かっていますから、天照大御神からの霊統が途切れることになります。
これが女系天皇で、歴史上、わが国に女系天皇が誕生したことは一度もありません。
近年ではこことの正しさが、Y遺伝子の継続ということから理論的にも証明されるようになりました。
古代の人達は、Y遺伝子などわからない話ですが、それに変わる古代なりの理論構成がちゃんとあったわけです。
引用:ねずさんの学ぼう日本「万葉集巻六から笠金村(かさのかなむら)の歌」
現代は科学信者が多いので、科学で証明されたものが「正しい」とされることも多いですが、古代の人は「感覚」でそれを理解していたとも言われております。
まとめ
平成から令和へと時代が変わり、以前にも増してニュースなどで「女性天皇」や「女系天皇」という言葉が出てきました。
「女性天皇=女性の天皇」、「女系天皇=女性天皇から生まれた天皇」という表現がわかりやすいところでしょうか。
その違いはサザエさん一家で例えるとわかりやすいですね。
日本の皇室は、ほかに類を見ない、2000年以上続く『世界最古の王朝』です。
ギネスブックにも、日本の皇室は「世界最古の王朝」と記録されております。
それらを踏まえた上で女性天皇と女系天皇の違いを理解し、皇位継承問題についてのニュースや記事を見ると、今までとは違う見方ができるかもしれませんね。
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