見出し画像

第八十八夜 『不思議な商品』


先日の経営MTGで彼が持ち込んだ企画は、早々に3名の申込をいただいたこととなる。
もちろんまだ申し込みの段階であり、契約まではさらに労力がかかるものの、好調な走りだしと言える。

株式会社アメリの強みの一つは特定の商品に固執しないことでもある。
ランチェスター経営戦略では一極集中を良しとする。もちろん、それは重要なことである。しかし我々の業界の一極はどれもレッドオーシャンである。様々な会社が一極集中をする先を求めて日々潜水している。

そこで株式会社アメリは商品性での一極集中で戦うのではなく、差別化に重きを置いて集中をしてきた。
具体的にはFPという局面を戦場とすることとしたのである。

「目算ではありますが不動産業の割合は10%程度だったかと思われます。」

かつて、彼がCFPの勉強会に出席した際に、意見交換をした場で持って帰ってきた情報は値千金であった。

「つまり、FP業における不動産分野はブルーオーシャンなのですね。」

実際に我々はFP業の中で不動産を足がかりにその他の分野を顧客へのサービスとして展開していく手法がほとんどである。

不動産においては自社物件を持たないことで顧客の物件選択の自由度を確保し、属性やニーズに合わせて仲介を取り持つ。
その上、不動産だけではなく資産形成やセーフティネット含めたFP業務を提供することで一顧客の長くお付き合いができる環境を作ることに注力をしているのだ。

そうして我々は不動産分野でも木造アパートや区分マンションだけではなく、賃貸、マイホーム、土地など幅広く扱うだけでは飽き足らず、生命保険、損害保険、ライフシミュレーション、FP相談とさらに入り口を増やしている。

ゆくゆくは金融資産も取り入れる予定だ。

さて以前も伝えたことであるが、これは多角化だろうか。
経営失敗の要因となる多角化にあたるだろうか。

そう捉える人もいるかもしれない。
しかし、何度だって言おう。FPは6項目の分野がある。
不動産ですらそのうちの一つなのである。

FPに特化すると自ずと保険や相続、ライフシミュレーションに行き当たるのだ。
そういったわけでFP協会でも専門家の少ない不動産分野を絶賛一極強化中というわけだ。

そして、今週の経営MTGでは、彼がまた自信満々と言わんばかりに提案を持ちかけてきた。

「先日新しくあった方がこんな商品を扱ってまして、建設会社の紹介含め今度挨拶に来るので、対応してくれませんか。」

私は思わず笑ってしまった。
こんなことができたらいいななんてちょうど考えていた商品だったからである。

「もちろん。案件も準備しましょう。」

物語の続きはまた次の夜に…良い夢を。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?