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鳴り止まない好奇心

私は世界への興味はずっとあったが、タイミングが合わず留学など
日本以外へ旅行はあっても海外に住むということはしたことがなかった。

以前から、世の中を読むということは自然なことであった。
父親との会話はもっぱら時事ネタであった。
私に映画を刷り込んだのも、父とその父方の祖母だ。
はじめてみた映画の記憶は、4歳くらいの頃夜中に起きて
両親のもとへいったら「エイリアン」を見ていた。死ぬほど怖かった。
それからというものの、騙されて映画館でジュラシックパークを見させられたり、
おばあちゃんのリバビリと称して、ランチ付きの映画鑑賞デートがあったり
すっかり教育された。

話しを戻すと
とにかく外の世界に興味があり、
なぜこうなっているのか、仕組みはどうなっているのか、
なぜなぜなぜなぜと、今も昔も止まらないのである。

しかし、社会人になり大人になり、
人間はどうしてこうも、自分の声をミュートするのが上手くなってしまうのだろう。
そんな好奇心で溢れていた私の声は私に届かなくなっていた。

2020年新型コロナの流行。
世界は閉ざされ、外野の声がなくなった。
私はまた、自分の声が聞こえるようになって
それを受け入れる度量も生まれていた。
まだ知らない世界を知りたい。やらない後悔をしたくない。
そこで以前より、
政治的システムやライフスタイルに関心があったデンマークへ留学を決める。

2022年、デンマークのフォルケホイスコーレという教育システムのもと日本を離れる。

5ヶ月間、100人の生徒たちとの寮生活。
朝ごはんから、授業中、夜ご飯までずっと一緒。
ある種憧れていたような、異次元な生活。
10個も歳の離れた友達ができ、価値観度返しな会話の連続。

私は完全に若返ったし、新たな感覚を身につけたと思う。
ものすごくいい経験だったし、確実に私に必要な時間だったと思う。

30歳手前のできごと。
ここからまた好奇心は鳴り止むことを忘れてしまったようだ。

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