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ペトロブラス (PBR) 、脅威の配当利回り、石油・天然ガス業界の異端児!?:その魅力と最新決算【4-6月/Q2,024】

ペトロレオ・ブラジレイロ(Petróleo Brasileiro S.A.【ペトロブラス】*ADRとして、ティッカーシンボル、PBRでNY証券取引所に上場)は、ブラジル国内外で石油やガスの探鉱、生産、販売を行う企業です。

ADRとは
「American Depositary Receipt」の略で、米国預託証券を指します。ADRは米国外の外国企業、あるいは米国企業の外国法人子会社などが発行する有価証券に対する所有権を示す、米ドル建て預かり証券のことです。ニューヨーク証券取引所に上場されているものもあり、通常の米国株式と同じように売買ができます。

3つのセグメント

同社の事業は、探鉱・生産部門、精製・輸送・販売部門、ガス・電力部門の3つのセグメントに分かれています。

探鉱・生産部門:国内の製油所への供給を目的に、原油、天然ガス液、天然ガスの探鉱・開発・生産。

精製・輸送・販売部門:原油の精製、物流、輸送、購入、輸出、さらに肥料の生産や石油化学会社の持分保有などを手掛けています。

ガス・電力部門:天然ガスや電力の物流・取引、LNGの輸送・取引、熱電発電所による発電、再生可能エネルギー事業、低炭素サービス、天然ガス処理事業、バイオディーゼルとその副産物の生産に取り組んでいます。

さらに、陸上・海底油田やシェール層からの原油や天然ガス、その他の液体炭化水素の探鉱、掘削、精製、加工、取引、輸送も行い、加えて、エネルギーに関する研究、開発、生産、輸送、流通、取引も行っています。

ペトロブラスは1953年に設立され、ブラジルのリオデジャネイロに本社を構えています。

最新の決算情報は?

ペトロブラスの最新の決算情報は以下の通りです。

2024年第2四半期決算の概要

  • 売上高(Sales Revenue):234億6700万ドル

  • 売上総利益(Gross Profit): 117億2700万ドル
    その他の主要財務指標

  • 純損失: 2.6億レアル(約4,690万ドル)

  • 調整後EBITDA: 96億ドル

  • 一時的な要因: 純損失は、税務和解や労働協定の影響を受けた一時的な要因によるものです。これらの要因がなければ、
    -純利益は54億ドル、*EBITDAは120億ドルに達していたとしています。

  • 法的紛争の解決: 450億レアル(約81億1,400万ドル)相当の重大な法的紛争が解決され、これによりキャッシュ・フローの不確実性が解消されました。

-EBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization)は、「利払い前、税引き前、減価償却前利益」を意味する指標です。具体的には、税引前利益に支払利息、税金、減価償却費を加えたものです。この指標は、企業の本業によるキャッシュベースの収益力を示します。

メリットとして

比較可能性: 国や企業間で異なる税率や減価償却方法の影響を排除し、企業の収益力を比較しやすくします。
設備投資の影響を排除: 設備投資の大小やタイミングに影響されず、企業の本業の収益性を評価できる。-

その他の決算ハイライト

-有利子負債: 263億ドルで、2008年第3四半期以来の低水準。
-設備投資: 2024年上半期の設備投資総額は64億ドルで、前年同期比12.5%増加。

配当利回りの目安

136億レアル(24億ドル)の株主資本配当、利息が承認され、支払われる予定。

ペドロプラスは配当利回りの高い企業として、ベテラン投資家の間では人気です。

  • 直近1年間実績配当金:3.54ドル(概算)

  • 株価:14.21ドル(8/9終値)

  • 3.54÷14.21×100=25%

*手数料、税金等は考慮に入れていません。配当利回りは購入時の株価によって変わります。

トップコメント

「当四半期のキャッシュ・ジェネレーションは堅調であり、法的紛争の解決により市場からも肯定的に評価されました。」

フェルナンド・メルガレホCFO兼IR担当役員

ペトロブラスのビジネスモデルとは?

ペトロブラスの事業は単に石油や天然ガスを掘り出すことに留まりません。同社は、探鉱から生産、そして製品の精製や輸送まで、エネルギー供給チェーン全体をカバーする総合的なビジネスモデルを持っています。

深海開発での優位性とは?

ペトロブラスは、ブラジル沿岸の深海および超深海における探鉱・生産において、世界でもトップクラスの技術力を誇ります。この分野での数十年にわたる開発の結果、同社は世界のエネルギー市場における重要なプレーヤーとしての地位を確立しました。深海油田からの効率的な採掘技術や、低コストでの生産体制は、同社の競争力を支える柱となっています。

この技術力により、ペトロブラスは他の国際的なエネルギー企業と比較しても、競争優位に立っています。さらに、同社は深海での生産能力を拡大し続けており、今後もこの分野でのリーダーシップを維持することが期待されています。

低コストでの操業を維持しつつ、環境に配慮した持続可能な発展を目指している点も強みのひとつとなっています。同社は、石油・天然ガスの生産だけでなく、これらを精製・処理し、市場に最高品質の製品を提供するための設備投資も積極的に行っています。

環境への配慮と持続可能な発展の取り組みとは?

ペトロブラスは、持続可能な発展に対する強いコミットメントを掲げています。同社は、低炭素フットプリントを実現するための技術革新やプロセスの改善に積極的に取り組んでいます。石油・天然ガス業界においても環境に配慮した操業を維持し、社会の持続可能な発展に貢献。

具体的には、ペトロブラスは再生可能エネルギーへの投資や、二酸化炭素の排出削減を目指すプロジェクトを推進しています。また、環境負荷を最小限に抑えるための精製プロセスの改善や、廃棄物のリサイクル率向上など、エコフレンドリーな企業としての取り組みを強化しています。

これらの数字は、同社が引き続き強力な財務基盤を持ち、安定した収益を上げていることを示しています。特に、油価の変動や市場の不確実性にもかかわらず、ペトロブラスは堅調な業績を維持しています。

まとめ

ペトロブラスは、ブラジルを代表するエネルギー企業として、今後も深海および超深海での探鉱・生産活動に注力し、競争力を高めていく方針です。また、環境への配慮と持続可能な発展に向けた取り組みをさらに強化し、世界のエネルギー市場での地位を一層確立していくでしょう。特に、低炭素社会への移行が加速する中、ペトロブラスの持つ技術力と革新性は、同社の成長を支える大きな要因となることが期待されています。

よくある質問 (Q&A)

今回の決算や事業内容をQ&Aでおさらい・・

Q: ペトロブラスはどのようにして競争優位性を維持しているのですか?
A: 深海および超深海での探鉱・生産における高い技術力と効率的な操業が、ペトロブラスの競争優位性を支えています。また、低コストでの操業と環境への配慮も重要な要素です。

Q: ペトロブラスは環境にどのように配慮していますか?
A: ペトロブラスは、低炭素フットプリントを実現するための技術革新やプロセスの改善に積極的に取り組んでいます。再生可能エネルギーへの投資やCO2排出削減プロジェクトも推進しています。

Q: 今後のペトロブラスの成長戦略は?
A: 同社は引き続き深海および超深海での探鉱・生産に注力し、持続可能なエネルギー供給に向けた技術革新を推進する予定です。

Q: ペトロブラスの事業範囲はどのくらい広いのですか?
A: ペトロブラスは、探鉱から生産、精製、輸送まで、エネルギー供給チェーン全体をカバーしており、石油・天然ガス業界における総合的な事業展開を行っています。

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*ご注意-このnoteは企業IRや直近のニュース等を参考に、一般的な情報提供を目的として書いています。投資家に対する投資アドバイスではありません。投資における最終意思決定は、ご自身の判断でお願いいたします。またデータ等の数字は、細心の注意を持って記載していますが当noteに載せている情報に基づく行動で損失が発生した場合においても、一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。


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