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キャタピラー、最新決算:建機の巨人が挑む多様性と長期的な成長!!【4-6月/Q2,2024】


キャタピラー(Caterpillar Inc., NYSE: CAT)は、欧米をはじめ、世界中に展開する建機の巨人、大型鉱山機械に強みを持つ、建設機械や鉱業機械、ディーゼル・天然ガスエンジン、産業用ガスタービンなどを製造・販売している企業です。2024年第2四半期の業績発表に基づいて、キャタピラーの最新のパフォーマンスと今後の展望について詳しく見ていきましょう。


キャタピラーの2024年第2四半期の売上高はどうだった?

キャタピラーの2024年第2四半期の売上高は167億ドルで、前年同期の173億ドルから4%減少しました。この減少の主な要因は、販売数量の減少(特にディーラー在庫の変動が影響)でしたが、有利な価格実現により一部が相殺されています.

営業利益率の変動は?

2024年第2四半期の営業利益率は20.9%で、前年同期の21.1%からわずかに低下しました。しかし、調整後の営業利益率は22.4%に上昇し、前年同期の21.3%を上回りました。この調整後の営業利益率の上昇は、企業の効率的な経営と戦略的な価格設定が功を奏していることを示しています。

一株当たり利益(EPS)の動向は?

2024年第2四半期の一株当たり利益(EPS)は5.48ドルで、前年同期の5.67ドルから減少しました。しかし、調整後のEPSは5.99ドルとなり、前年同期の5.55ドルを上回りました。この調整後EPSの記録更新は、キャタピラーが持続的な利益成長を達成していることを示しています。

ダイジェスト

  • 売上高:166億8,900万ドル(前年同期比▼3.6%)
    セグメント別
    -建設産業:67億ドル
    -資源産業:32億ドル
    -エネルギー・運輸:73億ドル
    -ファイナンシャル:8.5億ドル

ファイナンシャル・プロダクツ・セグメントは、キャタピラーの製品販売を促進するための重要な役割を果たしており、顧客とディーラーが効率的に機械を利用できるよう、金融面でのサポートを提供しています。

地域別では
北米:90億ドル(前年同期比+13%増)
ラテンアメリカ:17億ドル
ヨーロッパ、アフリカ、中東:30億ドル
アジア/太平洋:29億ドル

  • 営業利益:34億8,200万ドル(同▼4.7%)
    -営業利益率:20.9%(前年21.1%)

  • 利益:26億8,100万ドル

  • 1株利益(希薄化後):5.48ドル

- 調整後利益: 1株当たり5.99ドル(前年5.55ドル)
-調整後の営業利益率は22.4%(前年21.3%)

希薄化後1株当たり利益(Diluted EPS)は、企業の純利益を、将来的に発行される可能性のある全ての潜在的な普通株式を考慮に入れて計算した1株当たりの利益を示す指標です。

これにより、企業の収益性をより保守的に評価することができます。基本的なEPS(Earnings Per Share)は現在の発行済み株式数だけを考慮しますが、希薄化後EPSはストックオプション、ワラント、転換社債などの希薄化効果を含めて計算されます。

キャッシュフローと資本配分は?

2024年第2四半期の営業キャッシュフローは30億ドルで、企業キャッシュは43億ドルとなりました。

株主還元(自社株買い、配当)

この四半期中に、普通株式の買い戻しに18億ドル、配当金に6億ドルの現金を支出しました。このような資本配分は、株主への還元を重視したキャタピラーの戦略を示しています。 

30年連続増配

株主還元を重視しているキャタピラーですが、長きにわたり継続して、増配をしている企業としても有名です。

  • 直近配当:1.41ドル(6月)

  •  年間配当:1.41×4=5.64ドル

  • 株価:325.80ドル(8/7終値)

  • 配当利回り目安:5.64÷325.8×100=1.73%

*手数料、税金等は考慮に入れていません。配当利回りは購入時の株価によって変わります。

キャタピラーの長期戦略は成功しているのか?

トップのコメント

"当社の業績は、当社の最終市場の多様性と、長期的な利益ある成長のための当社の戦略の規律ある実行の恩恵を反映し続けています"

ジム・アップルビーCEO

まとめ

キャタピラーの2024年第2四半期の業績は、売上高の減少や営業利益率のわずかな低下が見られたものの、エンドマーケットの多様性と厳格な実行により、調整後の営業利益率と調整後の1株当たり利益が高水準を保つなどポジティブな要素が多く含まれていました。

同社は引き続き、持続可能な成長と株主への還元を重視し、今後も安定した業績を維持することが期待されます。

よくある質問(Q&A)

今回の決算や事業内容をQ&Aでおさらい・・

Q1: キャタピラーの2024年第2四半期の売上高はどう変動しましたか?
A1: 2024年第2四半期の売上高は167億ドルで、前年同期の173億ドルから4%減少しました。

Q2: キャタピラーの調整後営業利益率はどうでしたか?
A2: 調整後営業利益率は2024年第2四半期で22.4%となり、前年同期の21.3%を上回りました。

Q3: キャタピラーの一株当たり利益(EPS)はどうなりましたか?
A3: 2024年第2四半期のEPSは5.48ドルで、前年同期の5.67ドルから減少しましたが、調整後のEPSは5.99ドルとなり、前年同期の5.55ドルを上回りました。

Q4: キャタピラーのキャッシュフローはどのような状況でしたか?
A4: 2024年第2四半期の企業営業キャッシュフローは30億ドルで、企業キャッシュは43億ドルでした。

Q5: キャタピラーの長期戦略は成功していますか?
A5: はい、キャタピラーの長期戦略は成功しており、多様な市場への対応能力と戦略的な実行力を持っています。

Q6:日本のコマツ、小松製作所(6301)と比べてどう?
A6:建設機械では、世界1位がキャタピラー、2位がコマツとなっています。2023年の売上高は、
キャタピラー:671億ドル (約9兆8,300億円)
コマツ:3兆5,435億円
注:2023年の平均為替レートを1ドル=約146円計算

*ご注意-このnoteは企業IRや直近のニュース等を参考に、一般的な情報提供を目的として書いています。投資家に対する投資アドバイスではありません。投資における最終意思決定は、ご自身の判断でお願いいたします。またデータ等の数字は、細心の注意を持って記載していますが当noteに載せている情報に基づく行動で損失が発生した場合においても、一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。

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