IBM(IBM)の最新決算発表 :売上高とフリーキャッシュフローが予想を上回る好調な業績【2024年第2四半期】
7月24日、ニューヨーク州アーモンク発 - IBM(NYSE: IBM)は、2024年の第2四半期決算を発表。Q2は売上高とフリーキャッシュフローの両方が増加し、予想を上回る好調な業績となりました。IBMの会長兼CEOのアーヴィンド・クリシュナ氏は、「上半期の業績を踏まえ、通期のフリーキャッシュフローの見通しを引き上げた」と述べており、今後の成長に自信を示しています。
第2四半期の売上高はどうだった?
業績ダイジェスト
売上高:158億ドル(前年同期比+2%)恒常為替レートベースでは4%増加。
売上総利益(粗利益):89億ドル(同+5%)
純利益:18億ドル(同+16%)
EPS:1.96ドル(希薄化後,同+14%)
以下のような内訳となっています。
ソフトウェア収入:67.4億ドル(+7%、恒常為替レートベースでは+8%)
売上高構成:43%コンサルティング収入:51.8億ドル(▼1%、同ベース+2%)
同:33%インフラストラクチャー収入:36.5億ドル(+1%、同ベース+3%)
同:23%ファイナンス、他:2.07億ドル
同:1%
これらのデータは、各セグメントでの収益成長を反映しており、特にソフトウェア収入が顕著な増加を見せています。
利益率の改善は?
利益率も大幅に改善
売上総利益率(GAAPベース)は56.8%で、前年同期比180ベーシスポイント(+1.80%)増加。また、non-GAAPベースでは57.8%に到達。税引前利益率も改善され、GAAPベースで14.1%、non-GAAPベースで17.7%となりました。
*GAAP(一般に認められた会計原則)は、企業の財務報告において標準化されたルールと基準を指します。non-GAAPは、GAAP外の調整を加えた指標で、企業が独自に使用し、特定の項目(例:一時的な費用)を除外して業績を評価します。両者は投資家に異なる視点を提供します。
キャッシュフローの状況は?
キャッシュフローも堅調
営業活動によるキャッシュ・フローは62億ドル(前年同期比2億ドル減少)もフリーキャッシュフローは45億ドルで11億ドル増加。過去12ヶ月間の営業活動による純キャッシュは138億ドル、フリーキャッシュフローは123億ドルに。
エンタープライズAIとジェネレーティブAIの成長?
IBMのエンタープライズAIとジェネレーティブAIに関する技術力と専門知識が高く評価されており、多くの顧客がIBMのソリューションを選択し続けています。特にジェネレーティブAIの市場規模が急速に拡大しており、1年前にwatosonx投入以来、生成AIの受注額は累計で20億ドルを超えたと、IBMはしています。
IBMはこれらAIの分野で強みを発揮し、急成長する市場においても優位なポジションを確立していると言えます。
*watsonx(ワトソンエックス)
IBMのAI研究は1950年代に始まり、スーパーコンピューター「ディープ・ブルー」がチェスのグランドマスター、ガルリ・カスパロフを破るなどの重要なマイルストーンを達成しました。2011年にはIBM Watsonがクイズ番組Jeopardy!に挑戦し、質問の手がかりを理解して正確な回答を提供。
WatsonはAIのビジネス応用の可能性を開き、金融サービスから小売業まで多くの業界で新たな洞察と生産性向上をもたらしました。現在、IBMはWatsonの技術を進化させ、次世代のAIプラットフォームwatsonxを開発しています。
watosonxは、IBMが提供する次世代のAIおよびデータプラットフォームで、生成AIと機械学習機能(データとAIを組み合わせた基盤)を備えています。このプラットフォームは、企業がAIモデルを学習、調整、デプロイするための包括的な環境を提供します。
29年連続増配
配当利回りの目安
直近配当実績:1.67ドル(5月)
年間配当:1.67×4=6.68ドル
株価:191.98ドル
配当利回りの目安:6.68÷191.98×100=3.45%(年率)
*手数料、税金等は考慮に入れていません。配当利回りは購入時の株価によって変わります。
About IBM
設立:1911年
上場:1915年11月(CTR)
セクター:情報技術( Information Technology)
ティッカー・シンボル:IBM
年間の売上高:619億ドル(2023年)
株式時価総額:1,734億ドル(約26.8兆円7/25時点)
ライバル企業:マイクロソフト(MSFT),シスコシステムズ(CSCO)など
日本の同業種:富士通(6702),NTTデータ(9613)など
本社:米国ニューヨーク州
従業員数:282,000人
まとめ
IBMはソフトウェア、コンサルティング、インフラの各面で、エンタープライズAIとジェネレーティブAIの発展に注力しています。オープンソースやパートナーシップを重視しつつ、企業のAI導入を包括的に支援する体制を整えていると言えます。
IBMは、これからも顧客のニーズに応え、革新的な技術で市場をリードしていくことを目指しています。
よくある質問(Q&A)
Q: IBMの第2四半期決算の主な成果は何ですか?
A: 売上高は158億ドルで2%増加し、ソフトウェア収入は7%増加、フリーキャッシュフローは45億ドルで11億ドル増加しました。
Q: IBMの利益率の改善について教えてください。
A: 売上総利益率(GAAPベース)は56.8%、非GAAPベースでは57.8%に達し、税引前利益率もGAAPベースで14.1%、非GAAPベースで17.7%に増加しました。
Q: IBMのエンタープライズAIとジェネレーティブAIの成長はどのように進んでいますか?
A: ジェネレーティブAIのビジネス・ブックは20億ドル以上に拡大しており、エンタープライズAIの分野でも多くの顧客がIBMを選んでいます。
Q: IBMの戦略の焦点は何ですか?
A: IBMは収益の成長を加速させることを重視しており、事業のファンダメンタルズ、営業レバレッジ、製品ミックス、生産性向上への取り組みが利益率の拡大に寄与しています。
Q: IBMのキャッシュフローの状況はどうですか?
A: 営業活動によるキャッシュ・フローは62億ドル、フリーキャッシュフローは45億ドルで堅調に推移しています。
1-3月(Q1)/2024年の決算はこちら↓
*ご注意-このnoteは企業IRや直近のニュース等を参考に、一般的な情報提供を目的として書いています。投資家に対する投資アドバイスではありません。投資における最終意思決定は、ご自身の判断でお願いいたします。またデータ等の数字は、細心の注意を持って記載していますが当noteに載せている情報に基づく行動で損失が発生した場合においても、一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。
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