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『鬱の本』によせて。
適応障害を患った経験のある私は未だに、精神を病むことにどことなく後ろめたさを感じている。可視性のある傷ではないからかもしれない。
そんな私に、一人じゃないよと寄り添ってくれるのが本書。
自分のありのままを受容することはかなり難しいことだし、人々は常に健康であろうとするけど、不健康な自分を受け入れることも選択肢の一つなんじゃないかと思うようになった。
上昇志向がなくたって、平々凡々に生きてったって、夕凪のような心で現世を誰のためでもなく生き抜く人生だって「普通」なんだって伝えたい。
ちょっと道草を食ってレールの外に出てみたって、ダイヤにちょっと乱れが発生してもどこかで帳尻は合うんだから大丈夫なんだよって、2月ごろの私に声をかけてあげたい。
生き急ぐのは、もっとエネルギッシュな特性のある人がやることと思う。
マイナスを0に戻したり、近づけることだけが素晴らしいことじゃない。
0を0.5くらいにするのが精いっぱいな人も当たり前にいるんだし、それが私なのかもしれないのだから、私は力を抜いて生きることで胸を張りたい。
日々を不健康じゃない感じで、60点合格な感じで。