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ペダステと夏の終わり、将来の夢、大きな希望わすれない。半年後の3月また出会えるのを信じて


舞台「弱虫ペダル」THE DAY1

ペダステの何を観にいったかって、そりゃ、演出と演出と演出なわけ。
隙自語すると演出の鯨井さんのフアンやらせてもろてるから、この演劇は鯨井さんが作り出したものなんや…!とかなり気を張って観劇した。

ペダステって、自転車の舞台なのにハンドル握って走ってるだけだったり、スロープを動かして道作ってたり、舞台技術の面でめちゃくちゃ評価されてきた舞台。
今ペダステを見る時にハンドル持ってるだけなことを揶揄する人っていないと思う。もうそういうものとして確立されているから。あと、本当に自転車に乗っているとして脳内補完できるから(人間便利)あの演出がたぶん模範解答。

しかし、毎夜毎夜ペダステの円盤を見ていながら、私はあの演出の妙技にまだ気づいていなかった。


個人的ショ日、一階席。
す、すげ〜〜〜〜〜〜〜!?!!?!?
度肝抜かれたなんだこれは、なんだったんだあれは!!道ないのに道じゃん!!!
江ノ島の海(前日に江ノ島に行っていたから解像度高かった)だとか人混みだとかのぼりひらめいてるのとか!

状況説明をぎゃ〜〜〜ってするの、ペダステ常套表現ではあるけどリアリティがすごかった。というか視線誘導が強引で「お前ら今海見てるからな」「それ屋台な」「今からタコが日替わりやるぞ」って無理やり脳内でその景色を再生させられる。俺たちはもうあの舞台演出に抗えないことが決した。

開会式で壇上に立つ箱学が、スロープを歩くシーンで一度立ち止まる。ゼッケン番号の説明をするためだったんだけど、道の延長線上に座っていたおかげで5人(真波は遅刻)の背中が逆光で目に映った。
それは王者としか言いようのない背中で、強者以外のなんでもなかった。
あんなオーラ出して会場闊歩されたら泣き喚きながら復路のバスに乗ります。勝てん勝てん。
これは演出の妙というより、ベストポジションで観劇できたからこその感動だった。でも、あの背中とそれを照らす青い光は一生忘れられないと思う。

舞台で好きなところは兼ね役があるところと端っこで演技してるところ。
ペダステにおいて兼ね役は言わずもがなだけど、端の方で演技してるの映像ではあまり見れない。基本どの演劇でもまあそうなんだけどね。
だから見れて良かったのが、後尾を走るスプリンター2人が落車後の小野田くんを心配していたこと。

一騎打ちのシーンじゃないとチームが列になって走るから、ただ走っているだけになりやすい。これ全然不満とかじゃなくバランスとか兼ね合いがあってそうなりがちだよねってだけ。あとただ走っているだけって語弊あるな、目立つ動作はしないよねってこと!
ってことなんだけど、でもやっぱ演技していてくれると嬉し〜!

だって、チームメイトが落車して一体どのくらいのところにいるのか気になるし、後ろ髪ひかれるじゃん。
だから「あいつが心配」というようなことをわざわざ明言しない(するシーンがない)2人が気にかけてくれているのがみられて、嬉しかったんだぜ…。

今回の公演の中で演出について言及する場面があった。
巻島さんと東堂さんがラストクライム後の審判車を担当するところ。
"最後の一滴まで絞る戦い"をした後に休ませてもらえず、審判者ボードを持って舞台上を横断しないといけない。
巻島役の山本さんは素で「鯨井さん!」「この演出だけは納得いかない!」と怒っていた。鯨井さんのフアンなので鯨井さんの名前が出て、存在を感じ取れて嬉しかったりしました。すみません。

山本さんが不満を出すのはそりゃそうだけど、私はあの演出はとても必要だったと思う。ここで思い出すのが2015年に上演されたインターハイ篇The WINNER。インターハイ1年目3日目を舞台化した公演だ。
1年目3日目といえば荒北さんがリタイアするシーンがある。惜しまれながらも荒北さんは後方へと消えていく。めちゃくちゃ感動シーンです。
でもその後間髪入れずにゴールまで残り25kmと書かれた看板を持って出てくる。
初見、「これ必要だった!?ゴールまで25km言わなきゃダメだった!?」となった。しかし円盤に収録されているオーディオコメンタリーで出演役者たちが「これぞペダステ」と口々にいうのだ。

そこでなるほど、世界観の均しが必要ってわけね…という解釈に至った。
真剣勝負って見てる方もかなり力入っちゃうから、そこで一旦気が抜けるというか、頭を切り替えられる。
あと、一緒に走ってるって思える。2人は遠く前方で走っているけど、地続きだよって言ってる感じ。(後者はエモ方向で捉えた解釈なので気にしないでください)



そしてストーリーは佳境に入るが、ラスクラ後の記憶がストンと抜けていて全くレポできないので、表彰式まで内容を飛ばします。

10年前の公演だと正面向いて花束を受け取っていたはずだが、今回表彰される人は客席に背を向けていた。
終演後姉と話していて斬新だな〜と思ったシーン。
正直拍手したかった。スタオベしたかった。でも舞台の前では表彰式に参加していない人のお話があって、今泉くんはずっと落ちていた。一筋縄で祝福させてくれない構成になっていた。

1日目、総北としては超良成績だったはずで、みんな楽しそうにしているのに今泉くんだけ1ミリと笑ってなかった(席的によく見えた)のは、団体競技の残酷さだったと思う。
観劇側は結構気を張ってなきゃいけないので、試されている…と思った。たぶん試されてない。


カテコに客降りがあるとは思っていなかったので、近くで不思議な踊りを披露してくれた御堂筋くんに脳をぶん殴られながらもヒメヒメは完全☆完璧☆に踊れた。毎夜毎夜ペダステを見ていた成果を披露できて満足。
京伏は御堂筋くんしかいなかったのにつよつよだったので、やっぱりあのキャラの脅威は異常だよなあと改めて感じました。新井さんの放つ異様な雰囲気が良いキモさで、早口関西弁がうまくて、良いキモさでした。

ついでに役者さんの話しちゃうと、小野田役の島崎さんは初代の小野田坂道を感じた。これは失礼になってしまったら申し訳ない、前向きで全肯定意見なので承知してほしい。
島崎小野田くんから村井さんの小野田くんをちょっと感じたんだ。容姿もそうだけど、上擦った声を出す時とか小声になる時とか、村井さんの片鱗を見て嬉しかった。かつて1年目を走ったのは村井さんだけだったから。
そして最近別の作品から知ってとっても素敵な方だなと思っている滝川さんがやっぱり素敵な方だった。表情が素敵よね…。田所さんの完成度がすごい高いことはもう周知の事実で今更改めて評価することではない。滝川さんの滝川さんらしいところが田所迅と混ざり合って滝川さんの田所さんを作り上げていてよかった。
弱虫ペダルで生きてくれてありがとうございました。



次の日も観劇したのだけど、気がおかしくなっていたから翌日の公演は翌日の話(インターハイ2日目)が上演されると思っていた。なわけあるか。

2回目は2階席から観劇することができた。Jオタ出の私はとにかく席が近いことを意識しがちなので、すぐS席なりプレミアム席なりを取ることを正義としちゃうんだけど今回一般席も取っていた。一般席をとった記憶は全然ないが取ってた。
2階席から見る経験が全然なかったので、単純に景色良すぎてびびった。傾斜もひどくなくて3階ほどの恐怖もなく、ベスト席でした。銀河劇場の席が全て良すぎ。

そんなグッドビューから見たら、めっちゃ道動いてて感動した。
これは演劇初心者の所感だけど、下から見てる時の照明って、上から見た時と比べると全然機能していないんだ。いや、上から見た時の照明がすごいんだ。

道が動いているんだよ…!!
照明がぐるぐるしてて、足元で流れるから道を進んでるように見える。
あれです、ガススタで洗車してる時に車が動いてるように錯覚するのと一緒。

通常は1方向から流れていて、めっちゃ回してる時は2方向から照明が流れる。
リザルトやゴールを越える時はレーンが流れてくる。
側溝泉くんのシーンは今泉くんが振り回す溝の隣に3センチのヘリが現れる。
""道""が動いてるんです。

気づいた時に彼方にいる東堂さんは、一階席からだとちゃんと走ってのぼっているのを見てしまっていたのでなんとも気まずい気持ちになった。
しかし!2階席はすごい!気づいた時に彼方にいたんだ!!気づいたら!!彼方に!!!!

そして、あのスロープは舞台のセンターに来た時、壁の道と一体になってどこまでも続く坂になるのたまんないですね。
巻ちゃんが坂のてっぺんを指さしていたの、良〜だった。君らのテッペンはどこまでも先…。

2階席は本当に見やすかったので私はこれからS席とA席両方取ろうと思う。めちゃくちゃいい学びを得た。



さあ、記事の終わり方が難しくなってきたけどもういい加減記憶ないのでここで締めちゃう。
ペダステすごかったね。
何度も読んで何度も見たインターハイ1年目1日目だったけど、そんなの関係なく役者陣の熱気におされてシャブだった。

鯨井さんはすごかった。
(千秋楽カテコで鯨井さんが立ちあがったので、見えていた側頭部に向かって感謝の祝詞を挙げた)

続篇も発表され、大変嬉しいですね。我々には未来がありますよ。3月は個人的にアホみたいに忙しいんだけど、1回は行けたらいいな。
ぜひ関西公演してほしいですね。WWホールで!!ぜひ!!

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