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20200320 たくさん待った話

・嵐にしやがれで特集されていた卵サンドを食べにいった。わたしたちは11時前についたが既に店の外に少しの列が。30分ほどで中に入れたが、12時半ごろ店を出たら若い女子がさっきとは比べものにならないくらいたくさん並んでて、これが嵐効果か……となった。違うかもだけど。超美味しかったから普通にもともと超人気店だったのかも。

・ゆでたまごが半熟で、そのゆでたまごを包むようにたまごサンドのたまごがぎちぎちに詰めてあるのでめちゃくちゃたまごでおいしい。

・だめだ食レポできんな。ぎちぎちよりも絶対うまい表現あるしな。



・そこそこ行列にも並んだので、待ち時間にKindleのタイムセール?で安くなっていた品田遊『止まりだしたら走らない』を読み始めた。おもしろかったので少し感想書いておきたい。でもここからネタバレだから読まないでください。








🏃‍♀️


・東京駅から高尾を目指す2人、何度もひっかけられたんだけどわたしがバカなだけかな?

・終盤で「あ、おホモの方…か…!?」とわたしは気付いてしまったぞとそわそわしてたらもっと終盤で超女の子だったことがわかる。今までそんな展開を見たことがない訳じゃないのに、これ系絶対騙されてしまう。口調や元野球部であることである程度見た目が構築されてしまうんだよな。ちなみに「超女の子」は「新渡戸先輩マジで女子だったこと」と「後輩を好きでテレパシーを送りまくり、あわよくば奴から告白させようと仕向ける乙女だったこと」をかけています。かかってるか?

・思い返せば、アイドルと付き合う想像をするか?といった話題では「都築は女性に興味がないことはない」こと、「今恋人はいないであろう」ことを確認していたし、ただ同時に「都築は新渡戸を恋人の対象として見てない」という疑惑もじんわり浮かんできてきた。

・オレンジジュースを買って2人で飲んだときも、「私との間接キスは拒んだな」とか考えてたんじゃないだろうか。それは異性として見られてることに喜ばしいことだったのか、普通にちょっと傷ついたのかまではわからないけれど。

・人と違う感性を持つように見える新渡戸というキャラクターの独白が、恋心という面ではものすごく人間らしい感情的なせりふだらけだったのも良かったな。純粋にかわいいと思ってしまった。全話通してキャラクターの中で1番好きかも。

・2人の話は、数々の少女漫画と幾多の二次創作を読んできたわたしが語ると終わらなくなってしまうのでもういいだろう。おばさんが若人の青春にやたや首突っ込んじゃいけないよ。



・わたしが特に好きだった短編の「露出狂」の話にしよ。

・露出で捕まる容疑者達の犯行理由で「むしゃくしゃしてやった」というのがあった。…ような……気がする。だめだニュースをじっくり見る習慣がないので定義が着地しない…。でも露出に限らず、私怨以外で起こした犯罪者定番の「誰でも良かった」のあとに続く言葉はだいたいこれじゃないか?と思う。

・そもそも「むしゃくしゃ」っていろんな感情が入り混じってると思うし、露出も、ただ性欲を満たしたい訳じゃなく、この物語の主人公である佐々木氏のような「自分は誰の印象にも残らない」だって「むしゃくしゃ」のひとつだと思う。これは少数派の感じ方、犯行動機だとはわかってるけども、現実世界でも露出で捕まった人たちの中に誰にも覚えてもらえなくて犯行に及んだ人いるんじゃないかなーなんて思わせる。

・思ってばっか。だって断定するの勇気いるじゃん…。

・しかもオチでは被害者からは忘れられてるんだよな。佐々木氏の人生の定石どおり、ちゃんと覚えられてない。本来の目的は達成できなかったの、悪いことしたやつへの罰もちゃんと与えられてて爽快だったなー。わたしは勧善懲悪が好きなんだ。


・あともう一つ取り上げるなら「採点」の話。

・こちらは「こんな人もいるかもな〜」とかでなく、「いるわこれ!!!!!!」で刺さってきた。いるわこれ、とかじゃなくて、たまにわたしこれやるわ、の方が正しい。たまにね!もちろん毎日ではないけど!

・というか誰でも今日の自分の自己採点、したことあるんじゃないかなあ。人と仲良くなりたいもしくは人に嫌われたくないという感情がある人間は誰しもが。

・そして間違いはなるべく繰り返さないようにして、心からの「ごめんね」を経て子供は大人になっていくんです。あ、なんか道徳の教科書にもありそうだなあ。

・それはそれとして、それ相手の好感度マイナス5000点じゃない?って行動を選択する大人もめちゃくちゃいるな。自分の機嫌メーターはマイナスにはならないかもしれないけどプラスにもなってないはずなのにな。間違い続けてもういい点取るの無理って諦めちゃった人たちなのかな。あ、スカッとジャパンで子供に論破されてる大人の映像が浮かんできた。感想文から脱線してるサインだ…。


・短編の中ではいろんな人がいたけど、この人たちは全て新渡戸が頭の中で想像した「この人はこんなこと考えてるかもしれない」の妄想でしかない、という読み取り方もできる。明言されていないので、かもしれない、という語尾でまとめたいとこだけど。

・作者が人をこんなふうに見てるんだな、こんな見方があるんだな、というのが面白かったなあ。「八年目の異邦人」なんてほんと人間観察力と、それを作品に落とし込む力が凄まじい。


・みんな人はそれぞれ自分の、普通の世界を生きてる。共感できることもできないこともあるし、信じてた人に裏切られたり、自分の描いたシナリオを辿るために嘘をついたりもするのだ。そして人がとる行動の悪い側面は本人にとっては正義の行動かもしれないし、当人同士では大事件でも、別の人の話のネタふりになる程度の出来事なんだ。

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