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また会えたら

のんこです。


突然の死。


激しい動揺と混乱の後に
繰り返される問いがある。



どうして…?


あの世という世界があって
旅立った者たちが
みなそこに行くのだとしたら、

私があの世に行った時
彼のもとに飛んでいって
真っ先にそう聞いてみたいと思っていた。


何か思い悩んでいたなら、どうして言ってくれなかったの?

どうして、私を置いていったの?


どうして、あんなことしたの…?


どうして?が
とめどなく溢れ出る。


けど、そんなふうに詰め寄ったら
きっと「ごめん」と
ひとこと言って
彼は黙ってしまうだろう。


謝ってほしいわけじゃない。


謝りたいのは
むしろ私。


私が見たいのは
彼の穏やかな笑顔。


彼にとって
止むを得ない選択の後に、

おだやかな時間を
手にしたと私は信じたい。


どう話しかけたらいい?


目を閉じて、しばし考えてみる。


そうだ、こう聞いてみよう。
「ねぇ、あの日の続きを聞かせて」と。



そして、
彼からもし同じことを聞かれたら

「たくさん泣いたけど
こんなふうに生きたよ」
を伝えてみたい。


また会えたら。

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