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詩。

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道行く人が鬼の目で私をにらみ
そびえ立つビルが背を曲げて
私を見下ろす

神様に嫌われた私は
体から緑の毒ガスを放っている
もう柔らかなものには
触れられない

私はずっとお盆の中で
息を潜めている

ひとつ不思議なこと

いつだって
お盆の中から見上げる山は
私を許してくれて
お盆の中から見上げる空は
両手を広げている

この球体上の物質として
共鳴しているのか
この島に生まれた所以なのか

空が言う
考えてもみてごらん
この世界にあるものに
不要なんてないのでしょう
何もかもそれで
できているのだから

風のなか
ススキに呼ばれ
遠くを見たら
朱の門の向こう側
明日の方角を

夕日が赤く染め
明日に期待せよと言っている