自分が幸せになることでしか、救えない人生がある

「本を読む意味あるの?」

こうした問いかけは、僕がいろんな時間、いろんな場所で本を読んでいると聞こえてくる問いのような気がする。

2,3か月ほど前に僕が本屋で気になる本がないか探していると、僕のすぐ横を50代くらいの夫婦であろう二人が話しながら通り過ぎていった。
結果としては、赤の他人の何気ない会話を盗み聞きしてしまったわけだが耳に入ってしまったのだから致し方ない。

「本を読んでも頭でっかちになるだけだぞ」

夫の放ったその言葉は本を普段から読まない人から見ればその通りに感じることが多いのかもしれない。

小学校、中学校、高校、大学と教科書や参考書を授業で読み進め、
夏休みになれば本を強制的に読まされ読書感想文を書かされる。
年が上がるにつれ絵の量は少なくなり、活字だらけになっていく。

漫画や絵本に比べても小説などの本はめくるだけでは面白さは分からないのかもしれない。

先の言葉はこうした過去の経験から出てきたものだろうと感じる。

「私が本を読む意味は?」
「あなたが本を読む意味は?」

最適解は見つかることはないと思う。

しかし、夫の放った言葉への妻の返答はこの問いに対する最適解なのではないかと感じた。

「私は本が好きです。好きなものに触れると幸せです。私が幸せになるとあなたが幸せになってくれます。」

少し怒ったような声音で、それでいてゆっくり諭すかのように

その後の夫婦がどうなったかは僕が知ることはないがこの言葉を聴くことができて本当によかったと思う

本が本を読んだ本人の人生に直接実を結ぶことは少ないのかもしれない
けれど僕はこれからもたくさんの本に出会っていけたらと思う。



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