雨雲ペンギン

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最近の記事

エッセイ: 社会に溶け込んで、それで?

家に帰って、そのままベッドに倒れ込む。 お腹も空いてるけど、ただ今は何もしたくない。 誰かと関わるのはすごく気力を使うことだ。 それも大して親しくない人と喋るとなおさら。 この世界を親しい友達だけで生きていければいいのに。 体力が無いのだろう、人と過ごす時間と同じくらい、自分一人で過ごす時間が必要だ。 でも自分一人で過ごす時間と同じくらい、人と過ごす時間も必要だ。 一人で生きていけないのはおかしいことですか。 他人と関わるのが怖い。でも孤独はもっと怖い。 ど

    • 短編:俺は中学生。授業中に声を上げて立ち上がり、Qアノンについて語った。

      俺は中学2年生。平凡な毎日が続く。今は3時間目の社会の授業だ。俺は平和ボケしたクラスの奴らに現実ってもんを教えてやろうと思った。椅子を引き、勢いよく立ち上がる。 「なぜみんなはそんなにのうのうと生きていられる!世界は今、悪魔崇拝者たちの秘密結社の手に落ちようとしているのだぞ!彼らは小児性愛者でもあり、巨大な児童買春組織を運営している。テレビに出てくる有名なスターや政治家はほとんどがその結社の一員だ。しかしトラ〇プ大統領はたった一人で結社に立ち向かおうとしている。マスコミも結社

      • エッセイ:一日一食ってスマートでは??

        私は科学的あるいは民間的な健康法に興味があり、色んな健康法を試して、自分の生活に加えたり加えなかったりしている。その一つで最近気になっているのが一日一食健康法である。 一日一食健康法はその名の通り、一日に一食しか食べないことにより健康増進をはかるものである。朝、昼は水分だけを摂り、夜にちゃんとした食べ物を摂るというのがベーシックなやり方である。 自分はあまり食事にこだわりが無い方であり、お腹が空いたという感覚もあまり無い。自炊でも一年中同じようなものを食べているし、外食に

        • 詩:幸せの理由

          一人で生きるのは変かな 幸せの理由をいつも探している 大切な人をつくるのが怖い その人は替えの効かない人 失うことが怖い 人と距離を取るのは傷つくことが怖いから 当たり障りの無いことばかり言う 毎日楽しそうな友達は 眩し過ぎて見えない

        エッセイ: 社会に溶け込んで、それで?

          エッセイ:目が悪いことはポジティブに言い換えれない

          自分は本当に体が弱いつくりになっていて嫌になる。どこが弱いのか上げようとするとキリがないくらいで、自分の体が好きになれない。 まず目が悪い。眼鏡は小学校3年生からかけていた。単なる近視であるだけではなく、昔は斜視もあった。「あった」というのは小学生の頃、頻繁に眼科に通い、日常的に訓練していたら治った。訓練で治らない人もいるようだが、自分は運が良かった。今でも目が疲れている時は斜視になったり、近視の眼鏡を外し、近くのものを近眼で見る時、斜視になったりする。効き目である右目だけ

          エッセイ:目が悪いことはポジティブに言い換えれない

          エッセイ:過剰な情報とスマホぼけ

          最近困っていることがある。 集中力が落ちてきたことである。 気付いたのは今月に入ってから。自分の時間の使い方を変えて、一人の時間が増えた。今まで趣味とか無かったし、なんとなく本でも読んでみるかと思って何冊か気になる小説を買った。 しかしなぜだろうか、あまり進まない。なんというか内容が入ってこないし、何ページか読むだけで疲れてしまう。昔なら小説は読み始めたら止まらないで漫画を読むみたいにストレス無く読めていた気がするのだが…。 あとはYouTubeを倍速で見ることが増えた。

          エッセイ:過剰な情報とスマホぼけ

          靴下が一番汚く見える

          ベッドから動けないでいる。カーテンも開けず、暗い中スマホを触る日曜日の昼下がり。 部屋は散らかっている。昨日の夕飯の食器がそのままになっている。飲んだチューハイの缶がつぶされて、横たわっている。 脱いだ服がそこらへんにある。脱いだ服ってどれも汚らしく見えるが、下着とかより一番、脱いだ靴下がなんか嫌だ。 ぬいぐるみの猫に生気が無い。 トイレに行きたくてベッドから起き上がる。カロリーメイトを食べる。コーヒーを飲もうと思ったら粉が無い。 なんだかなあと思って水を飲む。暖かい水を

          靴下が一番汚く見える

          前世の記憶。小学校の帰り道。

          小学校の帰り道、仲良い友達と帰り道。80円くらいでライフガードの缶が売っているのね。結構な頻度で値段が変わるんだけど、その自販機。80円から100円の間を行き来してたな。その自販機が安いし、ライフガードってなんか刺激的な味がするから、小学生に人気だったのね。仲良いやつと帰ってる時にその自販機でライフガード飲もうぜってなってまあ買ったわけ。 ガコンって音がしてライフガードが出てきて、3人で飲んだの。そしたらすごい奇妙な味がするの化学的というかまあ美味しくはあるんだけど、なんか

          前世の記憶。小学校の帰り道。

          草原にて

          草原を揺らす暖かい風。月は隠れ、辺りは暗闇である。鳥が鳴く声が微かに聞こえる。雲が流れる。光る虫たちが集まっている。 草原にある一つの岩。俺は星を見ている。俺の膝を枕にして女の子が寝ている。静かに寝息をたてている。俺はその子の顔を優しく撫でる。柔らかい肌を感じる。撫でた時、なんとなく彼女は安心したような表情を見せる。それを見て心が落ち着く。周りには誰もいない。ここは二人だけの世界だ。

          公園のベンチ。二人はスマホ見ている。

          「俺に足りないものを教えてよ」 「え、まず自分語り多い。きもい。たぶん誰でもいいんでしょ、自分の話を聞いてくれる人なら」 「はあ、そんなこと無いけどな。こういう話できるの君しかいないから。自分語りについては申し訳ない。誰かに言いたいんだよね、自分が日々感じてること」 「ほら誰でもいいじゃん。自分の話聞いて欲しいなら、私の話も聞いてよ。共感と傾聴だよ、もっと私に共感と傾聴して」 「共感と傾聴ねえ。わかった、意識してみる。なにか俺に聞いて欲しいことある?」 「そう言われ

          公園のベンチ。二人はスマホ見ている。

          美人はそれなりの仕事をすべきか否か

          むかし、地元の高校にとてもかわいらしい用務員さんがいた。すごく若く見えて高校にいるどの女の子よりもかわいくて、背丈が少しあってスタイルもよく、ちょっとした芸能人見たいだった。だけど毎日作業着であんまり綺麗な服装じゃなかった。ちゃんとおしゃれして都会の街中で歩いてスカウトされた方がこの人はいいんじゃないか。とそう思った。 ある日、昼過ぎの授業をさぼっているとき、花壇の花の手入れをしているその人に会って少し話した。 「なんで用務員さんなんですか。もっとあなたにはふさわしい仕事

          美人はそれなりの仕事をすべきか否か