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映画観ました報告『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』(原題:My Salinger Year)

日頃映画を見ない私の映画見ました報告。

今晩観た映画は、『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』(原題:My Salinger Year)。
https://bitters.co.jp/mynydiary/

J.Dサリンジャーの出版代理店に就職した詩人を志す主人公の女性(ジョアンナ・ラコフ)が、心を動かされ、サリンジャーとの電話での交流を通し夢を追いかけることの重要さに気付き、羽ばたいていく過程を綴った実話を映画化した作品。

ジョアンナは自ら作家になる夢を抱えながら、恋人と距離を置き、ニューヨークで出版代理店に就職し、別の男性と同棲を始める。
業務はサリンジャーへのファンレターに「サリンジャーにこの手紙は送ることが出来ません」とテンプレートの返事を返す仕事、『ライ麦畑でつかまえて』を読んだことがないのに作品への熱い思いを読むにつけ、心が動かされ、サリンジャーとの電話の応対からサリンジャーから勇気づけられ、自分の未来を見据えていく。

舞台は1996年、インターネットが仕事の必携ツールになる過渡期の時代。手紙や電話で濃密にコミュニケーションを図れた時代でもあった。主人公と同世代の自分にとって、同時代の記憶が生み出すシンクロニシティが作品への没入感を高めてくれた。

就職した後もモラトリアムを悶々と続けながらも、日頃の仕事の中で、刺激を受けて自分の環境を変え、自らをさらに一歩前進めていくことが出来る主人公の成長に心打たれた。

自己の成長に必要な存在とは何か、日々の生活の中から見いだし、前に進む勇気を持つ主人公が羨ましくもあった。

そういえば、大学時代、英文学の夏休みの課題で、小説の読書感想文を出すという課題があって、『ライ麦畑でつかまえて』を四苦八苦しながら原文で読んだことを思い出した。

今となっては、学生当時英語で小説をまるまる一冊を読んだことも信じられないし、ストーリーすら何も覚えていないのだが、作中に出てくるファンの熱い思いをなぞるうちにいつの日かもう一度読んでみたいと思わせてくれる。

その前に、この映画の主人公でもあるジョアンナが綴ったこの映画の原作でもある自叙伝「My Salinger Year」を原文で読んでみたいと思う。
https://www.amazon.co.jp/My-Salinger-Year-Joanna-Rakoff/dp/140885550X

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