銀座のBAR
DJおもろそーやん。
自粛期間にDJおもしろそうじゃん?と思い、調べていたのだが、やはり生で観てみないとわからない。そう思い立ったが吉日で、早速インスタグラムでDJをやってる人にコンタクトを取ってみた。
そしたら『銀座のBarで回してます!』との返信が来たのでそしたらじゃあ行くしかないでしょということで一人で銀座まで行くことになった。銀座に用事があるなんてなかなかの「東京ヨロシク」だと我ながら思った。これはモンハンでいえばG級クエストにソロで赴くようなものだ。GINZAだけに。
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定期は東京駅までしかないので、そこから銀座まで歩きで向かった。持ち前の貧乏性を発揮してしまったが、東京→銀座の片道168円の為なら仕方がない。
お店に到着し、地下への階段を降りる。DJがいるようなシャレオツなBarは地下にあるんだな。これが銀座か、と勉強しながらくだる。そして、直感的に嫌な予感がした。「これ一人で行くタイプの店ではない?」と。
この予想は5秒後に答え合わせがされ、ピンポーンと頭の中で正解音が鳴った。正解だけど全く嬉しくない不正解なこの状況。「常連の身内で楽しむタイプの実質的一見さんお断りのやつだ。」とすぐさま自分が察している違和感の内容を把握する。
とはいえここで帰るわけにもいかないので、入り口で料金の説明を受け、お金を払うと3枚のチケットを貰った。それを出して、お酒やフードと引き換えるシステムらしい。銀座は全てがオシャレなのだと言い聞かせながら、一枚目のチケットを引き換え、グレープフルーツサワーを手にした。
まず店に入って感じた身内ノリの違和感と別のものを感じた。それは
「いやDJおらんやん」
こんな悲しいツッコミがあるだろうか。周りには常連客と一人で酒を飲んでいる...いや"嗜む"と表現すべきおっさんしかいない。もうこうなったら、目の前のグラスなみなみに注がれたグレープフルーツサワーを無くすことが目的へとすり替わった。乾杯する相手はもちろんいない。
お酒を飲むことしかやることがないので2枚目のグレープフルーツサワーを引き換え、普段見ることのない人のストーリーを見て、こんなことしてるんだ、と新たな気づきも出来た。流石、銀座はすごい。
ここでもう一つのことに気がついた。よくよく考えると『20時からDJやります!』とのことだったので、20時30分ぐらいに店に着けば、ちょうどDJをやっているか終わったぐらいのタイミングで、話を出来ると思っていたのだが、おそらく15分ぐらいで終わってしまっていたのだろうと。やるせない気持ちを飲み込むようにお酒を口に移した。
店内には常連客のハッピーバースデーのコールが鳴り響いていた。うるせえよ。はいはい。すごいすごい。オシャレオシャレ。
お腹は十二分に満たされている。もはや苦しい。だが、3枚目のチケットを引き換え、グレープフルーツサワーを受け取り、次の瞬間には飲み干した。引き換えなくてもよかったがお金を払っているからもったいない。カウンターの店員もなんだこいつという目をしていただろう。これは予想で答え合わせはしていない。
貧乏神に引っ張られるようにして店を後にした。
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そもそもケチな人間は銀座なんていうセレブスポットなんかに向かうべきではないと教えてくれた。銀座はすごい。
「G級クエスト。GINZAだけに。」なんて言ってる面白くないやつは余計向かうべきではないとも教えてくれた。すごいぞ、銀座。
しかもいつからかこのNoteを書くことが目的となっている。銀座はすごい。
これだから、銀座はすごい。
銀座よ、ありがとう。
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気まずさに追われるようにして、東京駅まで歩いた。もちろん片道の168円を節約するために。
夜の有楽町は妖しい匂いを醸し出していた。
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