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【短編小説】人間感情中間試験

問2.以下の文章を読み、①〜⑩の文章へ適切な感情を当てはめなさい。 【A.好き B.不安 C.ラッキー D.辛い E.嬉しい F.寂しい G.苛立っ H.哀しい J.情けない K.楽しみ】 高校生である僕には彼女がいなかった。 目立つようなタイプでもなかったのが原因かもしれない。 僕はクラスにいる女の子が気になっていた。それが【①】という感情に気づくのはもう少し先だった。 クラスの人気者である彼女は男女問わずに友達も多かった。 少し時間が経つと彼女には彼氏が出来た。 そ

    • 【短編小説】変化

      -2014年- 男はサウナにいた。時間は23時を過ぎていた。 日当7,000円の仕事のおかげで身体中が強張っている。 人が少ない時間帯に来ることが多い。その方が落ち着くからである。 もはや顔馴染みも多い。かと言って何か身の上話をするわけではない。互いがどんな家族構成をしていて、どんな過去を持っているのかは知らない。ただ、裸を見合っているので不思議と親近感は湧く。ここでしか成り得ない関係性である。 これで何度目だろうか。 充満する熱気が押し寄せ、気が遠くなっていく。

      • 遅刻する人、される人

        この世の中にいる人間をカテゴライズすると、男と女になる。その次に、遅刻する人とされる人に大別されるのではないかと思う。みんなも胸に手を当てて、自分が遅刻する人かしない人かを考えてみて欲しい。ついでに性別も確認しちゃってください。 自分はどちらかというと、遅刻される側だと思う。 もっと細分化すると遅刻する2:遅刻される8ぐらいだと思う。 けど、もちろん遅刻しちゃうこともある。 こっちが遅刻するときの有罪確定感。やっちまった感。だってこっち常習犯じゃないからという謎の誇り。

        • 髪の毛in牛丼事件は未解決

          どうも。皆様、どうお過ごしでしょうか。だいぶ久しぶりにノート書いてるから書き始めを忘れた。 このコロナ禍になって1年半ぐらい経った今もだいぶ、てかなんなら感染者増えてる8月18日現在。緊急事態宣言も延長して緊張感高まる…って感じでもないけど日々マスク生活を強いられてる8月18日現在です。 てかこの期間でだいぶテイクアウトしてる店増えたな〜。って思う。ウーバーとかも対応する店増えたし、まあ対応せざるを得ないって感じなんでしょうけど。 いややっぱコロナってほんと怖いよ。 だ

        【短編小説】人間感情中間試験

          2021年1月

          これを書いているのは2021年(令和3年)1月24日(日)。1つの文章に()が2つも入ると違和感がすごい。 それにしても、もう今年も12分の1が終わろうとしているのが恐怖だし11ヶ月後の12月24日にも「今年も早かったね〜」て絶対言っているでしょう。去年の12月24日にも同じことを言っていたし。同じことは繰り返さないようにしないと。23歳の貴重な1年を無駄にするわけにはいかない。だからこそ今年こそは充実した1年にしないといけないというわけですよ。 と、思った矢先に緊急事態

          2021年1月

          短編小説『やめられない理由』

          〜飲み会にて〜 「好きなもん頼んでいいよ、ここおれ出すから」 女A『え!?まじで!!』 男A『最近お前羽振りいいよなあ』 「まあね」 女B『本当にいいの?』 男B『じゃあお言葉に甘えて』 「どうぞどうぞ」 女C『私あんまりお腹減ってない』 男A『まあまあ、奢ってもらえる時に奢ってもらっとけよ』 男B『でもなんでお前最近そんなお金あんの?』 女A『やばい仕事でもやってんじゃないの?』 「昔は金なかったけど...今は色々頑張って潤ったんだよ」 女B『そう

          短編小説『やめられない理由』

          短編小説:(うえ)

          上(うえ)が好きだ 理由は沢山の人間を観察出来るから。あとは居心地がいい。 まあまあな頻度でうゑ(うえ)には行ってきたし、今も来てるし、これからも行くと思う。これからもお世話になりますが、よろしくお願いします。 ue(うえ)には色々な思い出がある。 飲んですぐのコーヒーをぶちまけたこともあるし、友達が出るステージの内容を一緒に考えたこともあるし、普通に寝たこともあるし、始めて3ヶ月のバイトであんまり仲良くない同い年の人に声をかけられて2時間話したこともある。ちなみにそ

          短編小説:(うえ)

          銀座のBAR

          DJおもろそーやん。 自粛期間にDJおもしろそうじゃん?と思い、調べていたのだが、やはり生で観てみないとわからない。そう思い立ったが吉日で、早速インスタグラムでDJをやってる人にコンタクトを取ってみた。 そしたら『銀座のBarで回してます!』との返信が来たのでそしたらじゃあ行くしかないでしょということで一人で銀座まで行くことになった。銀座に用事があるなんてなかなかの「東京ヨロシク」だと我ながら思った。これはモンハンでいえばG級クエストにソロで赴くようなものだ。GINZAだ

          銀座のBAR

          短編小説『変身』

          変身 - 体を他のものに変えること。姿を変えること。また、変えた姿。 * 私はいま電車の中で揺られている。いや。揺れているのほうが正しい。通勤ラッシュ時の満員電車の時もあれば、始発のすっからかんな電車の時もある。こんなにもすぐに簡単にコロコロ雰囲気が変わる場所もないだろう。 電車という密室の中では様々なことが起こる。 乗客同士で揉めていることも多々ある。特に満員電車の時に起きる確率が高い。気がする。原因は様々で、押した押されただの、痴漢されたしてないだの。最初は当事

          短編小説『変身』

          ノイズキャンセリング

          各位 お疲れ様です。 ↑学生時代ほぼ触れたことがないこんな文章にも徐々に慣れてきた今日この頃です。 小説考えるの疲れたんでエッセイ的な日記的なメモ的な何かを書きます。 とりあえず僕は社会人始めて4ヶ月経とうとしてます。学生だったら一学期が終わって夏休みなのかぁ〜とか考えるとしみじみするというか憂鬱というかなんというかっていう感じです。 社会人みんなそうですよね?(1段落目にありがち疑問提起) これを読んでる人にはまだ学生って人もいると思います。人並みですけど遊んだ

          ノイズキャンセリング

          短編小説『2回目のはじめて』

          今から告白をする。緊張してきた。 「好きです。付き合ってください。」 * 高校でおんなじクラスの冴えない男子...斎藤のことが気になり始めたのは半年ほど前。 それまでは正直どうでもいいっていうかおんなじクラスの地味な男子って印象。話したこともないし、声も聞いたことないかもしれないぐらいに。意識するどころか視界にすら入って来なかった。周りの女子とのガールズトークの名前に上がったこともなかった。 そんな彼のことが気になり始めたきっかけはある日の放課後だった。 数学のテ

          短編小説『2回目のはじめて』

          短編小説『歪んだ復讐』

          樋口は12周年を迎えた人気バンドのボーカルである。彼自身も今年で30歳となった。 デビューをして5年ぐらいから徐々に人気が出始め、25歳の時にはメジャーデビューを果たした。そこからは曲を出すたびにオリコンチャートでは上位に入るようになった。SNSのフォロワーも50万人ほどいる今やアイコン的な存在だ。 そんな人気絶頂の中、樋口は結婚をした。 相手は超人気女優である。 大物同士の結婚ということで、テレビやSNSでも取り上げられ、世間では大きな話題となった。 できちゃった

          短編小説『歪んだ復讐』

          短編小説『スロット』

          『あの女またばか勝ちしてるらしい』 『またかよ』 パチスロ屋の近くの牛丼屋で二人は話す。 『もう3箱?』 『いやもう4箱だったよさっき見たとき』 『夜までぶん回せば万枚は余裕だな』 『まじであの女なんなんだろうな』 『さあ?店長の愛人じゃね?』 『愛人がわざわざスロット回しに来るかよ、しかも朝から』 『おれなんてもう5万いかれてる』 『おれも3万』 『でも挙動悪くなさそうなんだよ設定4はあるはず』 『先週もそれ言って8万やられただろ』 『今日のはちげえよ』 男たちは何か

          短編小説『スロット』

          短編小説『入学式』

          今日は待ちに待った入学式である。 おれは今日から"高校生"になろうとしている。 卒業式で必ず言う"真新しい制服"に身を包んでいる。ついこないだ中学の卒業式でもみんなで声を揃えて叫んだところだ。 そんなこれから3年間着ることになる真新しい制服は少し大きく感じる。それもそのはずだ。お母さんに『もっと駿は背が高くなるから大きめで買っといたほうがいい』と、なんの根拠もないことを言われ、おさがりのようなサイズの制服を購入しているのだ。大きく感じるのは当たり前のことである。 そん

          短編小説『入学式』

          短編小説『同棲』

          『..ピ、ピ、ピピ、ピピピーー!!!!!!!』 ヤカンが沸く音がリビングに響き渡る。コーヒーを淹れる為のお湯を沸かしていたのをすっかり忘れていた。 いつも私にはこれがなにかの警告音に聞こえる。 「も〜...ミキ早く止めてよ」 ユウスケはスマホを見ながらぼそっと呟いた。 「今止めるからちょっと待ってて」 暇ならユウスケが止めてくれてもいいじゃん。 そう思いながらも早足で換気扇の音がするキッチンへ向かった。 最近は 同棲とはこういうものである。 と思いながら過ごしてい

          短編小説『同棲』

          短編小説『1億貰ったらなにする?』

          おれはなんの変哲もない社会人。特に夢とかない。ただのうのうと生きてる。 けどふと思った。 1億貰ったらどうする? まあ今まで宝くじとか買ったことないけど、ふと思った。みんなならどうするのかな。 貯金する人、使い切る人、投資する人、募金する人、仕事を辞める人、、、。 まあざっくり1億がもらえるなら使い道はこんな感じだと思う。多分。 みんなに聞いたこともないから知らないけど。自分が想像する範囲ではこのぐらいかなって思った。おれは仕事辞めるかな。 でも こういう話をす

          短編小説『1億貰ったらなにする?』