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【ショートショート】風景乙女

――本日は、SNSで話題のインフルエンサー兼パフォーマー、『風景乙女』ことへんめるさんに、『風景乙女』になったきっかけや現在の活動についてお話を聞いていきます。それではへんめるさん、よろしくお願いします。


よろしくおねがいします。


――まず、SNSにこのような投稿をするようになったきっかけを教えて下さい。


はじめは、普通に自撮りを載せていました。
自分の部屋とか、おしゃれなカフェとかで撮ってましたね。
メイクとか服が好きなんで、そういうのをがんばって、できる限り盛って(笑)。

けど、それだとあまり(人に)見てもらえなかったので、どうしたらいっぱいイイネがもらえるのかなって他の人の(投稿)を見てたら、きれいな景色を載せている人がすごくたくさんイイネをもらっていたので、これだ、と。


――きれいな景色の中で自撮りをしたら、たくさんの人に見てもらえるんじゃないかと。


はい。
それで、ネットで調べたきれいな景色の場所に行って、そこで自撮りをするようになりました。
関東で有名なところはもう全部行ったんじゃないですかね。
交通費がヤバかったです(笑)。


――そこから、さらに撮影スタイルが変化していくわけですが、なぜこのようにしてみようと思ったんでしょうか。


きれいな景色の中での自撮りを載せていて、初めのうちはけっこうイイネをもらえてたんですけど、しばらくしたら(イイネの数が)ガクッと減っちゃったんですね。
飽きられちゃったというか……自分と同じようなことをする人も増えてきて。
それで、自分にしかできないことをしなくちゃと思って、景色とコーデするっていうのを始めたんです。


――景色とコーデするというのは、その場所の色に合わせて自分の服装やメイクの色をリンクさせていく、ということでしょうか。


そうです。
例えば、海だったら青系と、それからベージュ……砂の色を使ってみたり、紅葉がきれいな場所だったら赤やオレンジ、黄色を中心にしてみたり、そうやってメイクや服、髪の色とかを合わせていました。

それで、ある時「景色に完全に溶け込んじゃったら面白いんじゃないか」と、冗談でやってみたんですよね。
千葉のひまわり畑で、メイクや撮影する時の角度を調整して、あえて自分がいなくなるように撮ったんです。
そしたら、その写真が人生で初めてめちゃくちゃバズって。


――写真を拝見しましたが、最初は本当にただの風景写真にしか見えませんでした。へんめるさんがどこにいるのかを見つけるのに、私は5分ほどかかってしまいました。


アハハ(笑)。
1時間かかった人もいるみたいなんで、それは早いほうですよ。
なんか、ネットでは「へんめる探しRTA(※)」とかあるみたいです。

(※編集部注:RTA=「リアルタイムアタック」の略。主にゲームで、クリアなどに要する時間の早さを競うこと)


――あれは、撮影にどのくらいの時間がかかったんですか。


そうですね、ひまわり畑の写真は初めてだったので、半日以上かかりました。
メイクも何度か全部落としてやり直しましたし、撮ってるうちに太陽の光の当たり方が変わっちゃって、何度も撮り直しましたね。

今はもう撮影ルーティーンが決まっているので、2時間かからないくらいでサクッと撮っちゃいます。


――始めは試行錯誤といった感じだったんですね。そしてあの写真が、現在へんめるさんの唯一無二のスタイルである、風景と完全に同化してしまう『風景乙女』の原点になった、と。


はい。
完全に思いつきで撮ってみた写真なんですが、あの1枚が撮れた時に自分の方向性が決まりましたね。
あと、ハッシュタグにつけた『風景乙女』という言葉が「へんめる=風景乙女」というように定着してくれて嬉しかったです。


――現在はSNS以外にも活動の場が広がっているとお聞きしました。


今はパフォーマーとして、大道芸のイベント出演や、企業さんのPRのお仕事をやらせてもらっています。
今ではそっちの仕事のほうが本業っていう感じですね。

パフォーマンスというか、風景乙女をやるようになってからは、こちらから大声を出したり、大げさな言葉で人の目を引いたりしなくても、風景の中から出てきて手を振ったりするだけで皆注目してくれるんで。
すごくありがたいですし、ある意味ラクですね。


――なるほど。最後になりますが、今もなおSNSで数万人のフォロワーを抱えるインフルエンサーとしての顔もあるへんめるさんから、「SNSでバズりたい」と思っている人へメッセージをお願いします。


自分だけにしかできないことを考えてみてください。
最初は誰かのマネでもいいです。
そこから、「こうしたらどうなるかな」「こうしたらもっと良くなるかな」ということを見つけられたら強いです。

けど、いちばん大事なのは自分にも他人にもウソをつかないこと。
ネットでウソをつく人はだいたい自滅します(笑)。


――嘘をつかない、大事ですね(笑)。本日はありがとうございました。今後もご活躍を期待しています。


ありがとうございました。




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