「私はまわりから高い評価を得ていなければならない」の思いが引き起こす先延ばしや逃避について
「私はまわりから高い評価を得ていたい」と思うこと自体は、決して悪いことではありません。
その思いは仕事に向き合うことへのモチベーションにつながることがあるでしょうからね。
向上心の表われと言えます。
でも「私はまわりから高い評価を得ていたい」の思いがエスカレートすると、先延ばしや逃避の問題が起こりがちです。
「私はまわりから高い評価を得ていたい」の思いをエスカレートさせない
「私はまわりから高い評価を得ていたい」の思いが仕事の成果に良い影響を与えているのでしたらOKです。
でもこの思いが強くなりすぎて、「私はまわりから高い評価を得ていなければならない」になると先延ばしや逃避の問題が起こりがちになります。
「私はまわりから高い評価を得ていたい」という思いを、「私はまわりから高い評価を得ていなければならない」という思いにエスカレートさせないことが大切です。
「私はまわりから高い評価を得ていなければならない」の思いにエスカレートしてしまうと、知らないうちに前向きな気持ちが追い詰められた気持ちに変わっていってしまうことがあるからです。
願望と要求の理解
「私はまわりから高い評価を得ていたい」は願望を示す言葉で、「私はまわりから高い評価を得ていなければならない」は要求を示す言葉です。
前者は「残念ながらそうもいかないことだってあるだろう」という可能性を受け入れることができていて、後者はその可能性の余地を受け入れることすらできません。
それゆえ、「私はまわりから高い評価を得ていなければならない」ので、「そうでないと恐ろしい」と強く恐れるようになるのです。
仕事に着手しようとするたびに「まわりから高い評価を得られない」場面に直面することを強く恐れ、ギリギリまでその仕事から逃避し続けたりしてしまうのかもしれません。
「私はまわりから高い評価を得ていなければならない」にもかかわらず、仕事を恐れて逃避をし、結果的に仕事の着手を先延ばしにすることでまわりから高い評価を得る可能性を自ら下げてしまうのです。
こうなってしまっては誰も喜べないですよね。
「私はまわりから高い評価を得ていたい」の思いをエスカレートさせないためにすべきこと
先に述べた通り、「私はまわりから高い評価を得ていたい」と思うこと自体は決して悪いことではありません。
その思いは向上心の表われなのです。
大切なのはその思いをエスカレートさせないことです。
「私はまわりから高い評価を得ていなければならない」という要求ではなく、「私はまわりから高い評価を得ていたい」という願望程度の思いで手を打つことが賢明です。
「まわりから高い評価を得る」ことについて、論理的に、現実的に考えてみるとよいです。
そもそも自分をどう評価するかは、いつだってまわりの決めることだったりしますよね。
自分がまわりから高い評価を得るに値する成果を出したとしても、まわりが自分を高く評価するかどうかはわかりません。
そもそもそれは自分でコントロールすることができないことだったりもして、「私はまわりから高い評価を得ていなければならない」という要求がいかに無茶なことを言っているかということも理解できますよね。
自己説得
「私はまわりから高い評価を得ていなければならない」という要求を示す思いに「私はまわりから高い評価を得ていたい」という願望を示す思いがエスカレートしていることに気づいたり、あるいはエスカレートしそうなことに気づいたりしたときには、願望を示す思いに留まれるよう自己説得してください。
要求を示す思いは大抵の場合、無茶なことを言っていたりするものです。
要求を示す思いは論理的なことを言っているか、現実的なことを言っているか、自分の役に立つことを言っているかを自問自答してみることです。
無茶なことをしようとするから自分を苦しめるのです。
「私はまわりから高い評価を得ていなければならない」の思いによる先延ばしや逃避を抑止するために
「私はまわりから高い評価を得ていなければならない」の思いによる先延ばしや逃避を抑止するために、「私はまわりから高い評価を得ていたい」という願望を示す思いに留めることが役に立つことをお伝えしました。
「私はまわりから高い評価を得ていたい」と思いつつも、「そうはいかないこともあるよな」とか、「どんなに良い成果を出したとしても、いつだって自分を評価するのは自分ではなく、まわりの人たちなんだよな」なんてことを受け入れる態度が持てていれば、願望が要求にエスカレートすることはありません。
そんなことを考えていると、自分でコントロールできない部分に目を向けるのをやめて、自分でコントロールできる部分に注力したほうがよいのではないかと思えてきたりもするのかもしれません。
例えば「良い成果を出すことに集中して、あとはどうなるか様子を見てみよう」といった具合に。
あなたの向上心が良い成果に結びつきますように。