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【オランダのトリセツ】毎日オモシロすぎる!-はじめに

【はじめに】

おはようございます。オランダ在住のアマリコです。本日も、オランダ政府の内閣閣議決定に従い、自宅勤務(「Thuiswerk(タウスヴェルク)」しております。                              オランダに住み始めて18年くらいになります。オランダと仕事や文化、友人・知人やプライベートなかかわりをもつようになったのは、30年近くでしょうか。オランダに住んでいて、飽きることはありせん。

オランダは、本当に面白い国です。毎日、小さな発見があります。ここ最近、毎日悲しいニュースが多くて、本当に気がめいります。ですが、こういうときこそ、オランダの人間本位で、1人1人がストレスの少ない、ライフスタイル、ストレスフリーを探求する生き方や知恵に感心してしまいます。毎日が、小さな「発見」です。                     「どうやって、オランダで仕事ができるの?」とよくきかれます。それは、オランダ王国の「inburgeringsexamen(市民化)」テスト合格し、EUでの労働許可書と滞在許可証を取得して滞在しております。テスト勉強や受験勉強は、本当に大変でした。昼間は仕事。毎晩、宿題とテストに追われる日々でした。テストの前の日や朝方は、泣いていました!ホントです!でも、他の方には、笑える内容ですので、別途、ぜひ、ご紹介したいと思います。


【「vitaal baan(タール バーン)」ー「重要な仕事」とは?】ー子供のバイト先のスーパーからの2ページの手紙(1部抜粋)から見えるライフラインを担う地元スーパーの偉業とコミュニティーとの信頼関係の大切さー

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2020年3月に入って、子供達のバイト先のスーパーの店長さんから、丁寧な手紙がきました。内容を超要約して、以下のように私訳します。

「昨今の世界的な困難の中で、あなたのお子様の「vital rol(重要な役割)」を当スーパーで担っていただき、心から感謝を申し上げます。また、お子様の担っている仕事の重要性を深く考慮しております。食品小売りは、お客様に食品や生活必需品を得るのに必要不可欠で、また重要な物流センターです。私達の同僚とお客様の衛生と安全がとても重要です。そこで、当スーパーでのスキームをご説明します。[店内での至近距離の新ルールを導入] 当スーパー内での、衛生ガイドラインを定期的に、また慎重に強化と徹底をしております。店員、およびお客様に、お互いに接触しないよう、最短でも1.5メートル離れてるよう、願いしております。また、レジでの支払いは、現金ではなく、全て、PIN(オランダの銀行の非接触型デビットカード支払い)に統一しています。(略)」

こんな感じで、2ページにわたってこまごまとスキームと新ルール導入、その遵守の方法がこまごまと記載され、感謝の念でしめくくられ、店長の署名が入って言いました。

私は最初、子供がバイト先から解雇をいいわたされたのかと思いました。こういう時世なので、学生バイトが真っ先に切られるのは普通です。なので、恐る恐る読んでいました。最後まで読み終えてみると、解雇通知ではありませんでした。子供の話によると、保護者がパニックをおこしていて、問い合わせが多くなるだろうということを想定して、バイトしている子供の保護者全員に手紙をだしたのが背景です。つまり、「保護者の皆様、ご安心ください。皆様のお子様は衛生的、また安全な状況、職場で、重要な仕事を当スーパーでこなしていただいております」がイイタイコトです。

実際、このスーパーに限らず、小売りやサービス業は、こういったバイトで仕事でまわしているので、1人1人の学生バイトにも、こういった配慮はすごく重要です。たった2ページの手紙ですが、末端の学生バイトと保護者にも1人1人丁寧な内容と説明を書いた手紙送るなんて、すごく感動しました。まさしく、雇用者の説明責任ですね。もちろん、学生バイトに事故がおきれば、労災が適用されますし、お店の信用問題もあります。

もちろん、ここのスーパーで、バイトを続けるかどうかは、本人しだいです。子供はそのまま、同じスーパーでバイトを続けることを決めました。近所には、大学や専門学校、中学高校がたくさんあり、比較的、学生バイトが確保しやすい立地のはずです。オランダも、日本と同じくらい深刻な少子高齢化問題があり、学生バイトですら、なかなかみつけられない問題があります。そして、学生バイトをつなぎとめないと、仕事が回らないという事情もあります。

オランダの都市部のスーパーや1部の地域では、トイレットペーパーの買い占めがあり、店の棚になくなるというニュースが報道されました。ところが、私の住む地域(アムステルダム周辺)では、そんな混乱もあまりおきませんでした。この理由を、私なりに考察してみました。この地域の住民、またはその子供のほとんどが、このスーパーでバイト経験があります。決まった曜日の決まった時間に、搬入されることを知っていたからかもしれません。また、安全面や衛生面できちんとしているという事情を熟知しており、学生バイトや配送のトラック運転手、倉庫の搬入係など、末端で重要な実務をきちん、きちんとこなしている従業員、また重要なロジスティックやサプライチェーンの担い手の待遇や賃金を、細かく、具体的に考慮しているという背景があるでしょう。また、それを地域の住民がよく熟知している信頼関係と、コミュニティーとの安定したコミュニケーション関係を、このスーパーが長い間、地道な努力で築きあげてきたから、なのだと思いました。まだまだ、収束のみえない状況ですが、通常の季節性インフルエンザもはやっており、「地域住民のライフラインの確保と安定を支えてきた」という観点でも、このスーパーのやってきた役割、偉業といってもいいですね。多大な貢献というか、小売業のあたりまえのルーティーンワークかもしれませんが、すごいぞ!オランダの地元スーパー!・・とたった2ページの手紙からも、知って、感じることができました。

他にも以前、1Pマンガ付きで、オランダの面白体験記を紹介したので、ご覧くださいね。

【オランダって、どんな国?】

オランダは人口1700万人程度。国土の大きさは、九州より一回り小さくした北緯52度に位置する北欧の国です。ウィキペディアを引用すると、「2014年のオランダのGDPは約8807億ドルである。世界17位の経済規模であり、EU加盟国では5位である。また、同年の一人当たりのGDPは52,225ドルであり、世界的にも上位に位置する。」とあります。少し古いのですが、オランダの経済の優等生ぶりは、そのままです。ドイツ、フランス、イギリスなど欧州の中心地に位置しており、陸海空水のロジスティックが発達しており、欧州のハブとしてもっと優れているといわれています。こんな小さな国にもかかわらず、経済はなかなかすごいんです。

私は学者ではありません。ただ、日々の生活の些末な、ほんの小さな体験や「発見」から、「これなら日本だって、導入できるんじゃないか」という、ちょっと、ふと思ったエピソードをエッセー、マンガにして、みなさんと感動や楽しさをちょっとでも共有できれば、うれしく思います。

【ムカつきながらも(!)感動する国!??】

オランダに住んで、仕事や生活でかかわりながら、オランダ人にたいして、驚き、あきれ、ため息、そして、ムカつくことも多いのです。ですが、感心することも、同じか、それ以上多いです!オランダ人は、「小さな発見」をとても大切にします。また、毎日の小さな努力と日々の積み重ねを軽視しない、という姿勢は、本当に尊敬に値します。他国のよい制度やよい製品は、すぐに真似をして、法令順守を守りながら、かなり早く導入します。日本も「物真似」大国といわれたことがありました。でも、日本の方なら理解できると思いますが、「真似」をする、「真似ができる」というのは、優れた人間、国でなければ、できないことです。他の強国や大国が、どんなにバカにしても、時世に沿って、理にかなっているなら、または得をするなら、導入します。オランダは大国に挟まれた小国なので、もちろん大国にお伺いをたてる、または、「忖度」が大切です。でも、ときどき、こっそり(?)、または大胆不敵(!)に「逆忖度」をやってのけます。例えば、同性同士の法律婚の導入など、当時は世界の非常識だったようなコトを、世界で初めて導入しました。クリスチャンも多く(キリスト教では同性愛は、罪です)、国内で議論をしっかり出し合い、粘り強く話し合いを続け、その上で、合意を得て、法制化する、行政のシステム化をするのが、とてもうまい国です。

「これは面白い!絶対、多くの人と共有したい!」という感動と私の情熱(?)を少しでも、皆さんが感じて、ちょっとでも楽しい気分になっていただけたらと、うれしいです。

では、おやすみなさい。明日はもっといい日でありますように。

アマリコ

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