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冬の土用

今日で冬土用が明ける。
(今年の冬土用は1/17〜2/2)
一年の中でも最も陰極まるこの時期(12月の冬至〜冬土用明けまで)は、きっちりと籠り冬眠しなくてはいけない。
「冬は熊の如く 籠もって冬眠すること」これが、4度目の東北で迎える冬でやっと分かったこと。

生まれも育ちも42歳までは東京者だった私が、岩手の早池峰の地に魅せられ移住した。が、決して雪が好きだったわけでもないし、寒さに強いわけでもない。
「おめぇたち、冬を知らね〜から越してきたんだべ?」と近所のおじさんが苦笑していたっけ。
〝本当だよ!なんで移住先が暖かい地方でなかったんだろう?〟と何度も何度も自問自答した。

岩手で迎える最初の冬は、その未体験の寒さに慄きとっさに逃げた。
本気で逃げた。
九州に1ヶ月間行き、その後バリ島に1ヶ月間飛んだ。
本気で雪から逃げたつもりだったが、逃げた先の長崎では観測史上稀な大雪が数日間降り続け、雪に全く不慣れな土地の車があちこちで事故を起こしていた。
さすがにバリ島で雪は降らなかったが、岩手に移住してからというもの、私が行く先々で、通常降るはずのない雪が降るという現象が起こり続けている。

東北の雪女が宿ってしまったのかもしれないと疑うレベルだ。
この冬は一日滞在していた大阪の堺の町に雪が降った。
「雪なんて、何年ぶりだろう??」と町の人が驚いていた。
1週間滞在していた宝塚にも、もちろんたくさんの雪が降った。
実は私は雪女かもしれないということは、とりあえず黙っていた。

好きでもなかった雪の美しさに、この数年で魅了された。
雪が降ると心から嬉しくなり、春が近づき雪が溶け出すと心から寂しくなる自分がいる。
恐れ慄いていた寒さにもすっかり身体が慣れ、
「冬は熊の如く 籠って冬眠するもの」ということを東北の土地から学んだ。

籠もった分、体内で熟成された直感、アイデアがこの数日間 動き出している。
そろそろ冬眠から覚める頃だ。
今年も始まる。

今日は、そんなお話。








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